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死神からの招待状のリオン
.hack//hydrangeaのハイド
のコラボ小説!
その日、リオンはとある魔法の実験を行っていた。
たまたま図書館で見つけた題名のない魔法書。
リオンはそれをおもしろそうだと思い、理論を組み、今まさに実行しているのだ。
場所は誰もいないホグワーツの隠し部屋の一角。
現在リオンは、リドルの記憶を宿しているブレスレットを見つけていない。
実際にリオンは一人でこの魔法の実験を行っているのだ。
床一面に描かれている幾何学的な魔方陣が、リオンの紡ぐ詠唱と共に光を放っている。
「魔方陣よ、我を導け!幾何学と人の想いの集いし場所へ、こことは似て非なる『世界』へ!!」
リオンが最後の詠唱を終えたと同時に、魔方陣は強い輝きに包まれていく。
その光が収まると、残されていたのは僅かな残光を放っている魔方陣だけであった。
「あれ?」
その日、ハイドは奇妙な感覚を感じた。
この『世界』に来てから、およそ感じたことのない奇妙な感覚。
まるで異物がこの世界に異物が迷い込んだような・・・そんな感覚。
ハイドはその奇妙な感覚に辺りを見渡すと、いきなり目の前に見たことのない魔方陣と、見慣れないエディットの呪文使いの少年が現れた。
「な、なんだなんだ!?隠しイベントか!!?」
ハイドは半ばパニックになりながら、そう叫んでいる間に魔方陣は消え、残ったのは少年だけだった。
「いよっし!転移成功!!さーて、ここはどっこかな~?」
その少年がきょろきょろと嬉しそうに辺りを見ているのを、ハイドはただ呆然とするしかなかった。
それも仕方のないことかもしれない。
ハイドが今いる場所は、天気は晴れ、フィールドは平原、レベルはそこそこのエリアなのだ。
ハイドはそこでのんびり寛いでいると、突然起こったのが『これ』である。
この『世界』でよく見られる転送リングの光とは明らかに違う魔方陣、見たことのない・・・いや、過去になにかで見たことのある服装をした呪文使い(?)。
これでは、呆然とするかパニックになるのは、当然のことだろう。
ハイドがパニックになっているのとは反対に、呪文使いのほうはハイドの姿を認識すると、なぜか「げっ」といった顔で見てきた。
「あ・・・あんた、このゲームは初めてなのか?」
ハイドはなんとか気を取り直して、その呪文使いに声を掛ける。
もしかしたら、ハッカーかもしれないからある程度警戒しながら。
「え?ゲーム?」
呪文使いはハイドの言葉に、頭で?マークを浮かべそうな感じで首を傾げている。
そのモーションの使い方が、あまりにも自然すぎてハイドは初心者じゃないのか?と内心つぶやく。
(なんなんだ、こいつ?ここがゲームの世界だって認識がないくせに、その反面モーションとかの仕草が完璧すぎる・・・もしかして・・・)
「あんた・・・未帰還者か?」
ハイドはあまり当たって欲しくないな~という思いで、聞いてみる。
呪文使いは、その質問にまた首を傾げて
「未帰還者?・・・それって.hackの用語だっけ?」
なんてとんでもない爆弾発言をかましてくれた。
「な!?おまえ.hackを知ってんのか!?」
ハイドは驚愕の表情で呪文使いに迫ると、呪文使いは飄々と
「そりゃなぁ・・・って、まさかここってThe Worldの中なのか?」
呪文使いの恐る恐るといった声に、ハイドは大きく頷く。
「ああ、ここは世界最大といって言いMMORPG『The World』の世界。そんでお前何者?」
ハイドは肝心要のことを聞くと、呪文使いはあっさりと
「俺はリオン。ホグワーツ魔法魔術学校の生徒だよ。」
なんて杖を取り出しながら、言った。
ホグワーツ。
それはとてもある世界ではとても有名な名前。
とある世界で大ロングセラーになった有名な物語に登場する学校。
普通の学校ではない。
常識では考えられない不可思議なことが満載の学校・・・リオンがその生徒ということは・・・
「おまえ・・・異世界からの来訪者か!?」
結論。こんな答えが出てもしょうがない。
それでリオンの答えは・・・
「おお!よくわかったな。でも、知られたからには記憶を消すしかないかな~?」
などと、杖をハイドに突きつけて脅してます。
笑顔が微妙に怖いです。
「ま、待て!俺も同じだ!来訪者なんだよ!!」
ハイドは必死な形相で訴えかけると、リオンはそれに間抜けな表情で問い返した。
「来訪者?」
「そ!俺も来訪者」
その後、なんのかんのと言い合いながら、気のあった二人は、ハイドの案内の元『世界』を堪能しました。
リオンは無事に送還の魔法でホグワーツに帰ることができました。
めでたしめでたし