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前サイトの4000HIT小説。

G.U.や腕伝のキャラのギャグ…というリクだったけど、これはちょっと違う・・・かも

時間軸はG.U.後

それはR:2が始まって数年して広まった一つの噂。

The Worldにおいて、もっとも古い伝説が帰ってきた。

そんな伝説が・・・

 

 

 

 

 

 

 


その日、ハセヲはなんとなく『あの場所』に向かってみた。

最初の『黄昏』より因縁深く続くあの場所へ

「ここに来るのも久しぶりだな。」

ハセヲは目の前で広がる大聖堂の前で、そんなことを呟いた。

思えば、ここでいろんなことが始まったのだ。

志野がここでキルされ、蒼炎が腕輪を受け継ぎ、女神を目覚めさせるなど・・・本当にいろんなことが起きた。

ハセヲは、まだ自分が楚良であった頃に思いを馳せ、大聖堂の扉を開く。

そこには厳かで、神聖で、とても物静かな空間が・・・

















「おらー!もっと酒をもってこーい!!!」

広がっていなかった。

ハセヲはいきなりの事態に脳の処理能力が一時停止した。

それでも、目の前の光景は変わらない。

「あ、こっちの卵焼き美味しい。本当にここってゲームの中なの?」

「ちょっとお酒のデータ足りないわよ!」

「あ、その肉俺のだ!」

「早い者勝ちだっつの!」

「25番シューゴ!データドレインしまっす!!」

「だー!やめれー!」

「いいぞー!やれやれ!!」

「だったら僕も参加してダブル・・・いや、蒼炎も含めてトリプルでやっちゃおうか?」

・・・そこに広がっているのは、厳かでも、神聖でも、物静かでもなく、どこかの居酒屋の宴会のような光景が広がっている。

ハセヲはこれはどうしたものかと、頭痛のする頭で考えていると自分の背後から気配があった。

そして・・・

「ああ!ハセヲも来たんだね。嬉しいよ!」

なにやら顔を赤くして、息もなんだか荒いエンデュランスがいきなり抱きついてきた!

「のわっ!は、離せ!!」

ハセヲは突然のことに振り払おうと思ったが、祭壇のところで騒いでる一団に目を奪われた。

かつて自分が執拗に追いかけていた相手に酷似した姿。

しかしその色は、相手とは対照的な色を宿した彼。

彼の隣では真っ白い妙な関西弁を喋る少女が寄り添って騒いでる。

ハセヲは彼を知っている。

そして、彼はハセヲと目が合った。

彼はニカッと笑うと、ハセヲのもう一つの名前を『ささやいた』。

ハセヲは思わず涙が出てきそうになった。

この『世界』が一度滅びたときに、彼の存在はもうないのかと諦めた。

けど、彼はこうして『ここにいる。』

この外装では一度も会ったことないはずなのに、一目で自分が何者なのか言い当てた。

そして回りで宴会しているのは、かつての仲間たち。

細部は違うけど、R:1のときに使っていたPCに限りなく似せているPCたち。

「お!その姿では始めましてだな。まだ悪ガキか、ハセヲ?」

「あれから7年だよ?さすがに成長してるって。」

「そうそう!あんたも立派なおじさんだしね!」

「おいおい・・・それは俺のことも言っているのか?」

「それ以外にいるのかい?」

赤い稲妻と呼ばれた重槍士、灰色の呪文使い、浅黒い肌に露出度の高い鎧の重剣士、熊と呼ばれた剣士、妖艶な呪文使い。

「はやくこっちにきなよ。」

「まだ料理も残ってるわよ。」

「えっへへ!この煮物いただき!!」

「あ、ずるーい!!」

蒼炎の二つ名で呼ばれた双剣士、黒薔薇の重剣士、同じPCを受け継がせた親子の呪文使い。

「あ!にーちゃん久しぶり!元気にやってっか?」

「どうも、お久しぶりです。この間はリアルのほうでお世話になりました。」

「お!来たな!同じ二つ名を受け継ぐとは、なかなかないぞ。」

「はじめましてー、そしてお久しぶりデス。」

蒼炎と黒薔薇よりも幼い印象の双剣士と重剣士の双子、人狼族の拳闘士、まだ日本語が少し拙い呪文使い。

かつて自分が関わった人たち。

中にはリアルでも交流のある人たちはいるが、2年前のあの事件から交流の途絶えた人たちばかりで・・・今日は久しぶりにその一同と会うことが出来た。

ハセヲは涙で滲む視界をそのままに、その環に入る。

「ただいま、そんでおかえり。」

青い大鎌使いであり双剣士の彼が言った。

「おかえり。・・・ただいま!」

ハセヲは・・・かつての仲間たちのところに帰ることが出来た。

 

 

 

 

 


ハセヲ「それにしても、なんでおまえら俺が楚良だって知ってるんだ?」

ハイド「そりゃ俺がリークした。」

ハセヲ「なんだとー!?」

カイト「まぁまぁ落ち着いて。それにしてもシューゴくんやレナちゃんとリアルで交流があるなんて知らなかったな。」

レナ「家がご近所なんですよ。」

シューゴ「2度目の『黄昏事件』の後に偶然リアルで知り合ってな。」

ハセヲ「あの時は驚いたぞ。いきなり人のPC名呼んできて。」

シューゴ「だってネット喫茶で偶然みたディスプレイに知り合いのPCが映ってたから・・・」

ハイド「なるほど。それでつい叫んだのか。」

レナ「世の中って狭いものですね。」

カイト「それなら今度、みんなでオフ会する?」

ハイド「そりゃ俺への嫌味か!?」

カイト「大丈夫。そこにパソコン持ち込んで、君も参加できるようにヘルバに持ちかけてみるよ。」

ハセヲ「ヘルバってまだこのゲームやってたのか?」

ハイド「俺はあいつの良い研究材料みたいだからな。」

シューゴ「それにしても、二つ名持ちがこれだけゴロゴロいたら、有り難味がねーな。」

ハイド「いいじゃん!たのしけりゃさ!」

ハセヲ「それもそうだな。俺もセカンドPC作って『楚良』になるか。」

シューゴ「あ、それいいな。その時は一緒に冒険しよう!!」

ハセヲ「ああ。それも楽しそうだな。」

ハセヲはそう言って、穏やかな顔で笑った。

 

 

 


あとがき
ちなみに、これはhydrangea本編となんの係わり合いもありません。
IFのお話です。
本編がこれどおりのエンディングになるかは、この時点では不明ですね。
それでも、これからもよろしくお願いします。

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