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「ジングルベール、ジングルベール、メリークリースマース♪」

あれからみんなでニコラス・フラメルのことを調べまくっているが、一向見つからずもうすぐクリスマス休暇に差し迫った。

ハーマイオニーは実家へと帰っていくことになり、先日帰省したばかりだ。

ドラコも実家に帰るのかと思ったけど、帰らないときたもんだ。

ドラコ曰く、

「家で開かれるパーティに出たくない。ハリーやリオンと一緒にいたほうがいい。」

らしいのだ。一体何があったのやら・・・

ハリーもロンもホグワーツに残る側、俺に至ってはあの広いログハウスで1人でいるのは激しく嫌だ。(十人以上が生活できるぐらい広い・・・)

そんなこんなで、俺はただ今ハリーたちに送るプレゼントを製作中なのだ♪

『器用なもんだね。』

リドルが俺の手元を覗き込みながら感心する。

俺が今作っているのは、色違いな石を使った7個のペンダント。

こいつはただのペンダントなんかじゃなく、この間、閲覧禁止の棚で見っけた『魔法アイテムの作り方』って奴の応用で、アクセサリーの中に(正確には石の部分に)異世界の魔法をセットしたんだ。

セットした魔法は、魔法反射呪文・リフレク、防御力強化・スカラ、速力強化・ピオリム、徐々に体力を回復させる効果を持つリジェネ。

俺が直接掛けるより効果は落ちるけど、身に着けている限り展開されるし、これで大分危険を回避できるはずだ。

けど、こいつは万能じゃなく、ダンブルドアやヴォルデモートレベルの魔法使いの魔法は、反射できず相殺が限度。それに、それを連続でやられるとペンダントが耐え切れなくなって壊れることがある。

それを考慮して、それぞれ送る相手によって変えて、FFⅨの幻獣召喚の式も加えておいた。

まぁ、いくら試行錯誤を繰り返しても、幻獣召喚は1個につき1匹が限度だけどな。

ハリーのは、『フェニックス』 転生の炎

ドラコのは、『アーク』 暗黒の運命

ロンのは、『オーディン』 斬鉄剣

ハーマイオニーのは、『シヴァ』 ダイアモンドダスト

ネビルのは、『ラムウ』 裁きの雷

ジョージとフレッドのは、『フェンリル』 大地の怒りと千年の風化

をそれぞれのペンダントにセットした。

こいつは任意に展開できるわけじゃねぇけど、窮地になったら(つまり、ペンダントが壊れるような事態)召喚されるようにしてある。

これの他にも、指環タイプでリドルや先生たちにも配っといたけど、クィレルにはタダの魔除けの指環だ。

ぶっちゃけイジメvダンブルドアにはオマケでウールの靴下をプレゼント。

あと、フラッフィーには、毛糸の帽子とマフラーを編んであげた。

へへん、俺って器用だろ?

『の割には、魔法薬学は散々だね。』

「うぐっ・・・べ、別に普通じゃねぇか!」

『ふ~ん、それじゃ君は、おできを治す簡単な薬をポリジュース薬にしたり、傷薬をマンドレイク薬にしたり、ベアゾール石を使った解毒剤を猛毒にしたり、生ける屍の水薬を安らぎの水薬にしたりetcetc・・・ここまでくると、ある意味天才だよ。』

「うわーん、りどるんがいじめるよー!」

『似合わない』

「ちっ」

俺は舌打ちしつつも、プレゼント製作の手を止めることは無かった。

さぁ、頑張るぞ!!
 


死神からの招待状~1st Stage~
『メリークリスマス』









クリスマス当日。

朝からみんなからのプレゼントを開封しまくっています!

なぜか、寮関係なく見知らぬ子からのプレゼントもかなりあって、カードを見ると、女の子からは『あの時はありがとうございます。』やら『お兄様と呼ばせてください!』とかの感謝や憧憬が多いんだが・・・男からは、『彼女を返せー!』やら『調子にのんな!』とかの悪意に満ちた奴が20%と、『好きだ』や『下僕にしてください!』だとか、トチ狂ったものが70%。残り10%は女子と同じ、感謝と憧憬だ。

中身のほうは、クッキーやケーキがほとんどを占めていた。

まぁ、90%の奴らには呪いを憑けて返してやったがな!!

ハリーからは『クィディッチ今昔』、ロンからは『ウィーズリー家特製セーター』、ハーマイオニーからは『糸楊枝型ミント』、ネビルからは『薬草大全』、ドラコからは『高級チョコレート』、何を考えてんだが、双子のフレジョからは『ゾンゴの悪戯専門店グッズの詰め合わせ』、クラッブとゴイルからは『ケーキの詰め合わせ』。

ほかに・・・先生からもあった・・・なぜか・・・

ダンブルドアからは『レモンキャンディー』、マクゴナガル先生からは『ティーカップセット』、スネイプ先生からは『紅茶セット』、クィレルからは『服従の呪文つきピアス』。

俺を従えようなんざ、5000兆年早い!

しっかり呪いを憑けて返しました。

最後にリドルから、木製で、縁を金属で補強した護身用トンファー・・・どこで購入したんだ?つーか、無茶するなオーラがひしひしと伝わってきます・・・









俺は大広間につくと、そこにはハリー、ロン、ドラコがチェスをやっていたらしく、ニコニコ顔全開・・・連勝してんだね。

「メリークリスマス!」

俺は気を取り直して声を掛けると、3人とも笑顔を向けてくれたが、次の瞬間その笑顔が強張った。

なじぇ!?

「リオン、それって・・・」

ハリーが恐る恐る、俺が脇に持っているトンファーを指差した。

あぁ、なるほど。言い忘れてたけど、トンファーの大きさは、幻想水滸伝Ⅱの主人公が持っているのと同じくらいってわけで、結構デカイものだ。

こいつを見て、怖がったってところだな。

「あぁ、トンファーだよ。護身用でクリスマスプレゼントに貰ったんだ。」

俺はふざけて、構えをとってみる。

う~む、やっぱり扱いがいまいち・・・暴れ柳と格闘訓練でもすっか。

「護身用って・・・」

「明らかに戦うことを前提にした武器じゃないか?」

「っていうか、クリスマスプレゼントで送るものじゃない気が・・・」

「それは俺も同意見だ。」

俺はトンファーを、ローブの中でいつでも取り出せるように細工しておいたので、収納に困らず仕舞った。

先生たちも大広間に入ってきて、ごちそうが並んで、俺にとって最高のクリスマスを過ごすことができた。

だが、俺はその間に重大なことを思い出してしまった。

ハグリットのプレゼント用意する忘れてたー!!!どうしよう~・・・









その日の夜。俺はクリスマスのご馳走を食いすぎてしまって、のんびり自室で横になって眠りについた。

そんで、意識が目覚めて辺りを見ると真っ暗・・・2~3時間は1人でいたら、発狂しそうになるほどの闇がそこにはあった。

「どこだ、ここ?」

俺はあたりをキョロキョロと見回すと目の前に突然・・・

「メリークリスマス!!!」

ドパーン!!

「のぎょわー!!!?」

魔法のクラッカーを鳴らして現れたのは、あのサービス良すぎの死神だった。

「お久しぶりでーす!お元気ですか?」

「おう!元気元気!・・・って、ちがーう!!なんで、おまえがいきなり現れるんだよ!?」

俺が問い詰めると、死神は「たははは・・・」なんて乾いた笑いを漏らした。

一体、なにしたんだ。こいつ・・・

「実はですね・・・あなたに説明し忘れたことがあって、それを最高神に怒られちゃって、その説明とクリスマスのお祝いを・・・」

そう言って死神は、俺に葬式カラーのリボンの箱を渡した。

しかし疑問が増えた。

死神がキリスト教の誕生に祝っていいのか!?

俺はそう言いたいのをぐっと我慢して、死神の説明を聞くことにした。

うん。賢明な判断だ。

「まず、あなたの青い瞳は、以前にも言いましたように『死神との契約者』の証です。契約者の瞳はただ青いわけではなく、肉眼では確認できない魔法陣・魔法言語がびっしり刻まれているのです。」

ほえ~、ただの目印じゃないのか。

「契約者の特徴は3つあります。1.『およそ魔力が100倍から1000倍に上がる』2.『身体能力が異常に上がり、以降上限がなくなる』つまり、鍛えれば鍛えるほど上がり続けます。3.『死神の能力をいくつか引き継げる』です。」

「うわ~、マジかよ。そんで?引き継げる能力は?」

召喚能力だけでも、すげーのにこれ以上オプションがつくのかよ。

「はい。引き継げる能力は『魂を持ったものと自由に言葉を交わせる』、『魂をあの世に送ったり、呼び出せることができる(成仏していても可)』この場合は媒介が必要です。『魔眼の類は効かない』、『常に閉心状態である』etcetc・・・こんなところですね。」

あの・・・それって・・・

「・・・なんでもアリの最強反則?」

「似たようなものです。ですから、誰でも死神と契約したがるのですよ。あまり、世には出ておりませんが。うまくすれば、グリンデルバルドだろうと、ヴォルデモートだろうと、あちらが全盛期でも軽くのしちゃえますしね。あ!でも、『魔眼の類云々』の部分は少し違いますね。」

「へ?どういう意味?」

俺が頭に?を浮かべると死神は説明してくれた。

「つまり、人間、亜人間型の者までの魔眼は確実に無効化できますが、バジリスクやケツァルコアトルなどの獣型の魔眼は完全に無効化できないのですよ。」

「え!?それじゃ、うっかりバジリスクと眼が合ったら、死んじまうのか!?」

やだぞ!それは!!

「いえいえ、死にはしません。魔眼の威力が中和されるので、最悪死ぬことはありませんね。」

それって安心していいのか?

「う~・・・あ!このプレゼント開けてもいいか?」

一体、なにが入っているのか、気になってんだよ。

「かまいませんよ。魂の成仏や呼び出す媒介につかってください。」

死神に言われて、俺はリボンを解き、中身を見るとその中にあったのは、白い横笛と紅いの刀身のサバイバルナイフが一本・・・この場合、笛を媒介にすればいいんだよな。

「笛は分かるとして、このナイフは?」

俺はナイフを死神に見せながら問うと、死神はぽんっと手を叩いて、

「あ!そのナイフは、魂を半分に斬ったり消滅させることができるのですよ。」

うぇ!?んな物騒なもんをプレゼントするなよ!?

俺はそう言ってやろうと、口を開く前に突如、笛とナイフが光りを発し、勝手に俺の中に融合するように入っていってしまった。

「な・・・なんだぁ!?」

「これで、笛とナイフはあなたのものです。使い方はこのように・・・」

死神は、驚いて呆然としている俺の額に手を当てると、笛とナイフの使い方と思われる情報を直接頭に叩き込むように流し込んできた。

「いってー!!なにすんだよ!?」

俺は痛む額を押さえながら怒鳴ると、死神はにこっと笑って、

「それでは、プレゼントのほうはうまく使ってくださいね。」

俺を後ろに突き飛ばした。

そりゃあ、もう思いっきし!!あとで覚えてろー!!!
 

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