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「んにゃ~・・・?」

ある日、朝目覚めてみればそこらじゅうに甘いにおいがしていた。

『おはようリオン。Happy Halloween!』

俺は少し寝ぼけて起き上がると、そこで初めてリドルの格好に気がついた。

黒いローブでなんか喪服っぽい・・・

「どっか、出掛けるのか?」

『あぁ、ちょっと墓参りにね。』

そう言ったリドルの顔は、見てるこっちが痛いくらいの悲しみに満ちた表情だった。

『そ・れ・で!リオン・・・』

「はい!?」

さっきまでとは裏腹にすっごく!怖い笑顔でを向けてきた。

なんだよ、このギャップは!!!?

『今日1日僕はいないけど、く・れ・ぐ・れ・も!!この間の三頭犬のときみたいに無茶をしない!いいね!?』

「はいぃ!!」

こ・・・こえ~、やっぱりフラッフィーのこと怒ってる~(泣)

あの後(つーか翌日)、一応リドルにフラッフィーのこと報告したら、めっさ怒られました。(涙)

『それじゃ、今日は大人しくしてくれよ。しなかったら・・・』

「し・・・しなかったら?」

あうあう、目が怖い~!!

『そうだな~(ニヤリ)』

トサ・・・

「え?」

あの・・・リドルさん?な~んで俺を押し倒してるんですか?

俺は冷や汗を流しながらリドルの顔を見る。

か・・・顔!!顔を近づけすぎだー!!ヤバイ!すっげーヤバイ!!!

俺はパニックのあまり、逆にリドルの顔に目をそむけることができず、ついに観念して目をぎゅっと閉じた。

こ・・・こんなところで俺のファーストキスがー!!!!どうせするなら本気で好きになった奴と、もっとロマンチックにしたかったぞコンチクショー!!!!!!

俺は心の中で絶叫しながら降りてくる感触を待つが、一向にその気配が無く、俺はそっと目を開けるとリドルは俺の上におらず、部屋の隅でうずくまって・・・

なに・・・

「なに大笑いしてんだコラーーー!!!」

『あははははははははははははははははは!!!!!』

こっちは真面目にびびったんだぞ!?

『い・・・いや、リオンの反応がおもしろかったから・・・ククク・・・と!とりあえずさっきのは冗談だけど、もし、約束を破ったら・・・』

「破ったら?」

なんだ?今度は本当にキスでもすんのか?

『リオン特製ドリンクを飲んでもらうからね。一気に。』

ピシリッ

このとき、俺は絶対に無茶するものか、と心の中で深く誓いました。
 


死神からの招待状~1st Stage~
『ハロウィンとトロール』










「く~次はなんだったかな?」

俺は中庭を歩きながら、隣に歩くドラコに聞いてみる。

「『妖精の呪文』・・・おまえ、さっきの魔法史で思いっきり寝てたろ?次はちゃんと真面目にやれよ。」

んな、呆れた顔すんなよ。

「能ある鷹は爪を隠すってな!そう簡単に・・・あれ?」

俺は立ち止まって、中庭を走り去っていくハーマイオニーを見つめる。

彼女の目元に光るものは、まさか・・・!!

「おい、グレンジャーの奴泣いて・・・」

俺はドラコの声も聞かず、すぐに目当ての奴らを見つけた。

しかし、俺が予想していた奴より一人多い。あれは・・・

「シェーマス・フィネガン?」

確かハリーとロンのルームメイト。

「聞こえたみたい・・・」

「はっ!自分に友達がいないのに、気づいたんだろ!」

「おいシェーマス、訂正しろ!!」

俺が聞こえたのはそこまでだった。

俺は気がついたら場所を移動して、シェーマスの足元を殴っていた。

そのせいで、地面には直径2~3メートルのクレーターができたけどな。

「「リ・・・リオン!?」」

「あ・・・あ・・・あ・・・」

ハリーとロンは驚愕した声をあげ、シェーマスに至っては腰を抜かしている。

「テメー、ハーマイオニーになんて言った?友達がいない?ふざけるな!俺はハーマイオニーの友達だ!今度、ハーマイオニーを傷つけたら、次は確実に当てる・・・いいな!!」

俺の言葉にシェーマスは壊れた人形のようにコクコクと頷く。

俺は背を向けて、ドラコの元に歩き出すと後ろからハリーとロンが追いかけてきたのがわかった。

「リオン!」

「これから、ハーマイオニーを探しに行くの!?」

「・・・いや、探さない。」

俺じゃ、ハーマイオニーになんて言ったらいいのか分からないから、代わりにできることは・・・

「ハー子のためにハロウィンのご馳走をたっぷり取っといてやる!」

泣いた後って、すげー腹減るからな。

俺はそう言って笑うと、ハリーとロンもクスっと微かに笑った。

「じゃあ僕たちは・・・」

「甘いドリンクを用意しとくね!」

「・・・おう!頼むな!」

俺は二人の言葉に嬉しく思った。








その日の夜、ハロウィンパーティ。

俺は用意しといたタッパーに、ご馳走を次々と詰め込んでいく。

俺の隣に座っているドラコも一緒になって、タッパーに詰めてくれている。

「結局ハー子、パーティに出ないな。」

「案外フラッフィーのところだったりな。あ!これも食べるかな?」

確実に一人分じゃない量に、俺は苦笑しながら糖蜜ヌガーに手を伸ばす。

トロールが来なけりゃいいのに・・・

俺がそう考えた時に、それがきた。

バーン!!

「トロールが地下に!!」

クィレル登場!!っていうか、魔法使いってみんな演技上手なのか?

「お知らせに・・・」

ぱたり・・・

あ、事切れた。

『きゃーーーーーーーー!!!』

大広間はたちまち混乱して、生徒たちは我先にと入り口へと殺到する。

俺もみんなと一緒に出て行こうとするが、それはフリ♪

本当の目的は・・・

ブギュ ブギュ ブギュ ブギュ ブギュル!

「おま・・・!クィレルを思いっきり踏みつけたろ!!」

「いや~一度やってみたかったんだよ。ドサクサに紛れて踏みつけんの♪」

なはははは♪上記の会話でお分かりのように、俺はさりげなくクィレルの体を踏みつけたのだ!

それはもう、くっきり足型がつくぐらいにvv

そっからは、ダンブルドアの鶴の一声。

ダンブルドアの言葉に冷静を取り戻して、監督生の引率の元、自分の寮に戻ることになった・・・が!!

「俺が大人しく戻るかっての。ハー子ー!!」

「って!グレンジャーがどこにいるのか、わかっているのか!?」

「僕たちも見当もつかないんだよ!?」

「ハーマイオニーを見たって人もいないし!!」

俺、ドラコ、ハリー、ロンは廊下を走りながら、ハーマイオニーを捜索するが、今のところ手がかりはナシ!!

つーわけで、しらみつぶしに探してまっす!

「おい!ピーブズ!!」

俺は走りながらピーブズを呼ぶと、すぐに現れた。

『何だ?』

「ハーマイオニー・グレンジャーを捜索!主に女子トイレを中心に探すこと!見つけたら、すぐに寮に戻るように言うんだ!そして俺らに報告!悪戯は許さねーからな!!いけ!」

俺は一息にそこまで言うと、ピーブズは大慌てで去っていった。

そんでハリーたちのほうを見ると・・・

「すご・・・」

「あのピーブズを・・・」

「パシリにしてる・・・」

そんなに驚くか?ちょいとこっちが上だって、分からせるだけですぐに従うぞ?

「そんなことよりハー子を・・・って・・・」

「うそ・・・」

「マジ?」

「マジだろ?」

あはははは~、目の前にトロールがいます・・・その数・・・

「10はいるな~・・・」

1匹じゃなかったのかーー!!!?

俺らが戸惑っていると、トロールの一匹がこちらに気づいて、棍棒を振り上げてくる!

「うわー!!!・・・なんてな♪」

俺はトロールの振り下ろす棍棒を片手で受け止める。

「このぐらいの力で、俺に対抗しようなんざ・・・100億光年はやいわーーー!!!」

俺はトロールの棍棒を取り上げて、それを取り上げた奴のどてっ腹に食らわせると、次に別のトロールに回し蹴りを食らわし、その次はカカト落しで沈める。

どのトロールも壁にめり込んだり、床にめり込んだり、天井に突き刺さったりetcetc・・・そんな調子でなぎ払っていく。

「リオンって・・・」

「すっごく強い・・・」

「敵じゃなくて良かった・・・」

聞こえてんぞ、こら!悪かったな怪力で!!

その場にいるトロールを全て倒し、俺らは再びハーマイオニーを探し始める。

このとき、俺らは気づかなかった。物影で、俺らのことをじっと見ている存在を・・・







一方、その物陰の人物は・・・

「ダンブルドアより恐ろしい存在を見つけたかもしれん・・・」

ずるずると床にへたりこんだ紫のターバン―――クィレル(&ヴォルデモート)だった。

こんなんでいいのか?闇の帝王さん。








その後、俺らは何体ものトロールに遭遇しては、片付ける。ということを繰り返していた。

だー!!あと、何体いんだよ!!

『グレンジャーを見つけたぜ!』

俺が丁度、メラミでトロールを黒こげ(ちなみに杖を使用してます)にしていたところに、ピーブズがやってきた。

「どこだ!?」

「ハーマイオニーはどこにいるの!?」

「トロールに襲われてないよな!?」

みんなが次々と問いかけると、ピーブズは少し躊躇して答えた。

『絵画たちが禁じられた廊下で見かけたって言ってたぞ!』

そういい残して、ピーブズは来た場所から消えていった。

なるほど、フラッフィーのところか・・・

「すぐに行こう!」

俺らはそう言って向かおうとしたら、マクゴナガル先生、スネイプ先生、クィレル(こいつだけは呼び捨て)、フリットウィック先生に見つかってしまった。

あぅ・・・ヤバ・・・

「な・・・なんてことです!これはあなたたちがやったのですか!?」

マクゴナガル先生が俺らの背後の、トロールの死屍累々を指差して叫ぶ。

「「「・・・・・・」」」(サッと顔をそらす)

こら!ハリーもロンもドラコも顔をそらすな!!

「ミスター神楽?」

うぐっマクゴナガル先生の視線が・・・

「お・・・俺がやりました・・・別のところでも、トロールが転がっていると思いますので、後始末のほうをよろしくお願いします・・・」

「そうですか。まさか、1年生が野生のトロールを片付けるなんて・・・その無謀さにグリフィンドール、スリザリンともに5点減点!」

あ、やっぱり?

「・・・ですが、トロールを見事倒したことに1人5点ずつ与えます。」

・・・マジ?

「+-5点UP?」

「みたいだな・・・」

「いいのかな?(ほとんど、リオン一人でやったのに)」

「いいんじゃないか?」

俺らがこそこそ話していると、先生が咳払い一つ。

「あなたたいが倒したトロールが、最後のようなので、パーティに戻りなさい。」

「「「「は・・・はい・・・」」」」

さすがマクゴナガル先生・・・さ、逆らえん。

俺らはとりあえずパーティに戻るフリをして、禁じられた廊下へと向かった。

ご馳走の入ったタッパーも忘れずに・・・

あ!クィレルの背中と後頭部、まだ足形ついてる!!







ガチャ

俺らが、フラッフィーのいる部屋に入ると、そこには案の定ハーマイオニーがいた。

ハーマイオニーはフラッフィーに寄りかかりながらも、俺らの訪問に驚いていた。

「ここにいたんだ!みんなで心配したんだよ!」

「おかげでトロールと乱戦しまくりだ。」

「パーティのご馳走を持ってきたんだよ!食べよう。」

「飲み物もあるよ!」

口々に言う俺らにハーマイオニーは、まだ目じりに涙の跡があったが、表情はきょとんとしていた。

「なんで・・・みんなが?」

「なんでって・・・そりゃ・・・」

「「「友達だからだよ!!」」」

「あ!?俺が言おうと思ったのに!!」

人のセリフを取んな!!

ドラコとハリーとロンのセリフに、ハーマイオニーはまたきょとんとした顔をしたが、それからくすくす笑った。

そっからは、みんでパーティ三昧!

フラッフィーとハリーが糖蜜ヌガーを取り合ったり、ゲームをしたり、ハーマイオニーにトロールのことを話したら説教されちまったけど、すっげー楽しかった。

それに、ドラコがやっとハリーたちをファーストネームで呼ぶようになった。

そこで、俺はハタッと重大なことを思い出した。

ヤバイ。無茶すんなって(自分的には無茶ではない)言われてんのに・・・リドルに怒られるーーー!!!

次に日、俺の悲鳴がスリザリン寮かに響き渡ったのは言うまでも無かった・・・
 

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