[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
第3弾
本編前ルーク編
俺の名前はルーク・フォン・ファブレ。
借り物の名前だけど、俺はこの名前を気に入っている。
ん?なんかおかしいって?
・・・!ああ、俺は本当のルークじゃなくて、そのレプリカなんだ。
なんでもオリジナルは別のところにいて、俺はその間の影武者みたいなものだ。
教えてくれた人は、違う!って言いそうだけど俺はそう認識してる。
夢の中からこんにちわ!
俺がファブレの屋敷に引き取られてからしばらくして、俺はある夢を見るようになった。
それはことあるごとに通信してくる・・・え~っと、ろー、れらいだっけか?それとは別のやつ。
俺そっくりの女の人が出てくる夢だ。
最初はぼんやりとしか解らなかったけど、1年もするとお互い意思の疎通ができるようになった。
はっきり認識したときは、俺もその人・・・ルクレツィアさんもすっげーびっくりしてた。
それからいろいろあって、仲良くなったんだ。
なんだか母上みたいだって言うと、ルクレツィアさん実際に結婚して、俺と同い年の娘がいるんだってさ。
いつか会ってみてぇなぁ。俺とよく似ているから会えばすぐに解るって言ってたな。
ルクレツィアさんは色々なことを俺に教えてくれた。
譜術や戦術といった戦闘のこと。
お金の価値や使い方、稼ぎ方、サバイバルとかの生きる術。
人との関わり方や目上の人に対する礼儀。
俺の正体や頭痛の原因である意識集合体に超振動。
本当にいろいろと教えてくれた。
だからかな・・・いつしか自分の身の回りの環境に疑問が起きた。
俺がレプリカだから、父上は俺を見てくれない。
オリジナルに比べて劣化しているから、屋敷の奴らも俺に失望する。
親友のガイも・・・俺が本物じゃないから、時々あんな怖い目で見てくる。
最初は・・・そう思っていた。
けれど、それをさりげなく探ってみると、どうやら違うみたいだ。
父上も母上も、屋敷の誰一人として俺がレプリカだってことを知らない。
そもそもレプリカなんて一般的なモノじゃないらしいし、その技術は発案者自ら封じたって話だ。
屋敷の奴らはみんな、俺が記憶を無くしたオリジナルルークだって認識しているみたいなんだ。
記憶をなくしたからといって、父上の無関心ぶりや屋敷への軟禁はおかしすぎる。
しかも、はやく記憶を取り戻せと言っておきながら、なにも知らなくていいとばかりに俺に学ぶことをさせない。
させるといったら、基礎をすっ飛ばした高等教育や応用問題。そんなものばかりだ。
俺が出来ないと言う度に、「以前のルーク様なら出来たことです。」「記憶さえ戻れば基礎を学ぶ必要などありません。」と繰り返す。
その度に記憶なんか最初からないんだから出来るわけねぇだろ!?と叫びたかった。
勉強嫌いになりそうだったけど、ルクレツィアさんとガイのおかげでなんとかそれは留まれてる。
ガイに基礎の本が欲しいって言えば、こっそり持ってきてくれるし、(けど、メイドとかに見つかったら即効捨てられるから、隠し場所に苦労させられる)ルクレツィアさんは解らない事を聞けば教えてくれるし、その時解らなかったら一緒に考えてくれる。
この狭い屋敷暮らしも、二人のおかげでのりきれているようなものだな。
ナタリアには、俺が本物じゃないからちょっと悪い気がする。
俺の被験者ルーク・フォン・ファブレ。
ナタリアがあそこまで執着するんだから、良い奴なんだよな?
ちょっと、今度ルクレツィアさんに聞いてみよう。
あ?ヴァン師匠はどうしたのかって?
俺、剣より譜術のほうを学びたいから、本当に護身程度しか教えてもらってない。
なんか一番隠し事が多そうで、いまいち信用できないんだよな。