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こんにちは!

突然『うちはサスケ』に憑依してしまった女子高生兼魔女です。

なんとか病院を退院して、里の人たちに用意してもらった家に住まうことになりました。

そして、いろいろと修行しようと思った矢先、ちょっと困ったことが起きちゃった。

・・・甘く見てたわ、この里の上層部を・・・
 


NARUTO~『私』から『俺』へ~
『こんな山あり谷ありごめんよ!』








「いらっしゃいませ!」

どうも!現在『甘栗甘』でバイト中のサスケちゃんです。

なんでこんなところでバイトをしているのかというと、この里の上層部のせいです!

『うちは』っていえば、この里で日向に並ぶ名家として有名じゃない。

それで、財産なんてすごいのよ。

この里の全体の予算に匹敵するぐらいあったんですって。

それで私、今後の生活費に関してはそれほど心配してなかったのよ。

うちは唯一の生き残りだし、遺産は全部私の物だって思ったのよ。

な・の・に!里の上層部の奴ら~~~!!!

『サスケ』が子供だからって・・・どうせ気づかないと思わないと思って・・・遺産ぜ~んぶ横取りしたのよーーーー!!!!

生活費落とそうとしたときに、残額がゼロになってたときの驚きは、メルヘブンでも感じたことなかったわよ。

火影に直談判しようとしたけど、7歳の子供の言う事なんて誰も耳を貸してくるはずもなく、三代目のところまで行けなかったわよ!

おまけに遺産はとっくに奴らに分配されてて、明確にこいつだって特定しづらくなってる・・・

唯一良かったことは、手裏剣やクナイといった忍具の類は支給されるってことと、月々に最低限の生活費(ほんとうに最低限)が支給されること、アカデミーの授業料はすでに払い済みってところかしら。

そんな感じで支給されるといっても明日の生活費にも困った私は、『サスケ』が前々から使えてた変化の術を使って『甘栗甘』でバイトさせてもらっているのよ。

ここの店主、私が変化の術使ってるの知っていながら雇ってくれるからいい人だわ。

ちなみに姿はサスケを18歳ぐらいまで大きくして、女の子にした感じ♪

やっぱサスケって顔がいいから美少女なのよねー!

おかげでお客様から受けがいいのよ。

たまにチョージやシカマル、キバ、サクラ、いのといった下忍メンバーも見るわね。

それで私は今日もアカデミーに通って、放課後は変化して『甘栗甘』で働いています。

・・・本当は修行したいんだけどな・・・

 

 

 

 

 

「ありがとうございます!」

私は今日もバイトに勤しんでる。

「ユカリちゃん、ちょっとお店の前を掃除しといてくれないかい?」

「はーい!」

私は店主にそう頼まれてゼピュロス・ブルームで店の前の掃除をする。

ゴミを掃きながら、風でそれを纏めていく。

簡単そうに見えるけど、風を微妙に調整していくのは集中力を養うのにいい修行になってるのよ。

ユカリちゃんっていうのは、ここでバイトするときの偽名。

サスケじゃ流石にやばいから適当につけた名前だけど、結構気に入ってるのよね。

へ?元の世界の名前?・・・・・・・・・ごめん、言いたくないわ。元の名前、嫌いだから。

「さーて、はやく掃除を終わらせなきゃ!」

私は張り切ってゼピュロス・ブルームを使って掃除を始める。

今日はなんだかいいことがありそうな予感。

 

 

 

 

 

「・・・だったはずなのに・・・」

私はその日のバイトを終わらせて、家に帰る途中嫌なものに遭遇した。

川原の土手のところで、数人の里の大人たちが子供を袋叩きにしている。

「この化け物!」

「私の子供を返してよ!」

「生かしてやっているだけ、ありがたいと思え化け狐!!」

その子供に向かって、大人達は暴力と共に言葉の刃をぶつける。

元は綺麗な金髪だと思う髪は、その子供の流した血で赤くなっている。

あいつらの言葉の端々で、私はあの子供がナルトだと解った。

私とナルトはまだちゃんと接触したことはない。

私は近づこうとしたけど、その前に逃げられちゃうし、バイトで忙しかったから機会を探していたけど。

「まさか・・・こんな形になっちゃうなんてね。」

私はユカリに変化すると、ゼピュロス・ブルームを持ってあいつらに近づく。

「なにやってんの!」

私の怒鳴り声に、大人たちは全員こちらを向く。

その中には、『甘栗甘』の客まで入っている。

「な、なんだユカリちゃんか。」

「なにって・・・化け物を懲らしめてるだけよ。」

大人たちは、私だと解ると安心したように口々にそう言う。

挙句の果てに「ユカリちゃんもやらないか?」ですってー!?

ああ・・・だめだわ・・・堪忍袋の尾が切れそう・・・

私はちらっとナルトを見てみる。

身体のあちこちが傷だらけでぴくりとも動いていない。

一見死んでいるように見えるけど、わずかに上下している胸でかろうじて生きていることが確認できる。

いくら九尾の狐がその身体に封印されてて、治癒力があるからってこんなになるまで・・・なに考えてるのよ!

「勘違いしないでよ。私はあなたたちを止めに来たのよ。」

「「「!?」」」

私の言葉に大人たちは全員絶句した。

当たり前か。こいつらにしてみれば、私はいわば化け物を庇う異常者だものね。

私はゼピュロス・ブルームを構えて大人たちを睨む。

「いくらあの事件で大勢の人が犠牲になったからって、その犠牲者の一人であるその子に八つ当たりなんてみっともないわよ!!それ以上その子に害をなすなら私が相手になってあげるわ!!」

私の啖呵に大人たちは怯み、その場を次々に立ち去っていく。

私は最後の一人もその場からいなくなったことを確認すると、急いでナルトの容態を見てみる。

傷は九尾の治癒力のおかげがあらかた塞がっているけど、随分衰弱しているみたい。

私はユカリのままナルトを抱き上げると、急いで家に向かった。

抱き上げたナルトは、ひどく軽かったわ。

 

 

 

 


あれからすぐに私はナルトを家のベッドに寝かせて、身体の汚れを拭いてやった。

服も私のを着せている。

いくら男の子でも、7歳の子供は異性とは思えないわね・・・って今の私も男だったわ。

サスケのときはなるべく男言葉使っているけど、いつ女の子言葉が出るかヒヤヒヤしてるのよね。

下手したら、あの変体オカマ蛇と一緒になっちゃう!!

私はそれだけは断固阻止!と決意を新たにナルトの身体を清めていく。

やがて、ナルトは気がついたのかうっすらと目を開けた。

でも、まだ意識が浮上しきっていないのか、焦点が合っていない目でぼーっと天井を見つめてる。

「気がついたか?」

私はなるべく男っぽく聞こえるように話しかける。

けど・・・結構つらい!

気を抜くとすぐに素の喋りになりそうなんだもん!

「・・・サスケ・・・?」

あ、ナルトの奴私のことを知ってたんだ。

私はそれが少し嬉しくて、笑いかける。

ナルトは自分の状況が解らないみたいで、ちょっとまわりに目をやって急に意識が覚醒したのか、一気に起き上がった。

「なななな!!!なんでここにサスケがいるんだってばよ!!!!?」

おお!病み上がり?なのにベッドから2~3メートル離れた場所まで跳んだ。

これほどの身体能力でドベって・・・なにかの間違いじゃないの?

「ここは俺の家なんだから、俺が居ても不思議じゃないだろ?」

私はそう言ってナルトを落ち着けようとしたけど、ナルトはかなり動揺しているみたいで、落ち着きなく部屋をきょろきょろ見渡したりしている。

「おい、ちょっとは落ちつけ・・・」

私は落ち着けようとナルトを嗜めるが、ナルトはまだぎゃーぎゃー騒いでる。

あー・・・うるさい・・・

私は大きくため息を吐くと、拳を握り締める。

どがっ!!

 

 

 

 

「大丈夫か?」

「う・・・うん。」

あの後、ナルトを強制的に黙らせた私は再び目覚めたナルトにジュースを渡す。

もちろん果汁100%のやつ。

ナルトは素直にお礼を言って、ジュースをごくごく飲んでる。

にこにこ嬉しそうに笑っている。

あー・・・なんだろう、すっごい癒される!

最近、生活費稼ぎとかで殺伐としてたから、こういうのに飢えてたのよね。

・・・メルヘブンでもギンタとか抱きしめて癒してたっけ。

その度にスノウやドロシーに睨まれてたけどね。

みんな元気かな?

「サスケ?」

「え?」

私がちょっと別の世界に意識が飛んでいると、ナルトが私の顔を訝しげに覗きこんでいた。

いけない。意識がちょっとトリップしてた。

「なんだ?」

「サスケって・・・ちょっとスカしてる奴かと思ったけど、全然イメージ違うってばね。」

ナルトは邪気0パーセントの笑顔で、そう言った。

私はナルトの頭に手を置くと、にっこり笑った。

「ナルト・・・思っていても、そう言ったことは口に出さないほうがいいぞ。」

すっごい傷ついたわよ?

頭に置いた手の力を徐々に入れていくと、ミシミシという音が聞こえてくる。

チャクラで身体強化したオマケつき。

それにナルトが悲鳴を上げたのは、当然といえば当然だろう。

 



 


その後、ナルトを夕飯に誘ったり、時々修行を一緒にするうちに、私はすっかりナルトに懐かれちゃったわ。

まぁ、いいわ。ナルトとは接触する予定だたし、なんか弟が出来たみたいで嬉しいからね。

山あり谷ありの人生はごめんだけど、ナルトと関係持てたことはちょっと嬉しいわ。

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