[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
苦手な人はご注意を!
そろそろ俺が召喚される時期がきました。
なんせ目の前に召喚ゲートである銀色の鏡が現れたからね。
「そういうわけでエンブリオ、天使たち。今までお世話になりました。」
俺はちょうど揃っているみんなにぺこりと一礼する。
「そうかあなたはエンブリオが一番最初に生み出した子。こうなることはわかっていた。」
エンブリオが俺を抱きしめてくれる。
俺はそれを抵抗することなく受け入れいる。
俺はエンブリオが大好きだ。
それは男の子モンスターとしての本能かもしれないけど、俺はエンブリオを母親だと思っている。
俺以外にもたくさんの男の子モンスターを生み出した聖女の子モンスターとして義務と宿命かもしれない。
それでもエンブリオの優しさと温かさは確かに俺の中にある。
このぬくもりを二度と感じられないなんてすごくさびしいけど、俺に拒否権がない以上このゲートを通るしかない。
俺は名残惜しいけどエンブリオから離れると、もう一度エンブリオと向き合う。
「行ってきます、母さん。」
「行ってらっしゃい。」
そう言って俺はゲートを通りぬけて行った。
「えっと、君は誰だ?」
いや、あんたが誰だよ。
それが俺が召喚されて一番最初に思ったことである。
召喚したのはなにやらアニメでみたようなトリステイン魔法学院の制服を着た、俺よりガタイの良い茶髪の男。
特に美形ってわけじゃなさそうだけど、そこそこ整っている感じだ。
後ろの方に似たような格好の男女が複数いるが、杖を持って俺の目の前にいるということは、どうやら俺はこの男に召喚されたようだな。
ま、なにはともあれ当初の予定通りに行ってみるか。
「きゃんきゃんでーす!おにいさん、あそんであそんで♪」
きゃぴきゃぴっとぶりっ子ポーズ!
外見年齢13~15程度のショタっ子だからこそできる技です。
ちなみにこれをエンブリオや他の天使に感想きいたところ、違和感なし。他のきゃんきゃんと比べても浮いていないという評価もらいました。
まぁ、もともときゃんきゃんってこんな感じのモンスターだし違和感はないだろうな。
「え……えっと、あとで遊んであげるから僕の使い魔になってくれないかな?」
戸惑っているお兄さんに俺は首を傾げる。
この時に上目使いのほかに耳を片方ピクンっと動かすのがポイント。
俺を虐待できないように、俺の魅力でメロメロにしれくれるわ!
「つかいま~?それになったらあそんでくれますか?」
「うん、遊んであげるよ。だからちょっとじっとしてるんだよ。」
若干、赤い顔しながらお兄さんは俺の額に杖を当てる。
ふっ顔が赤いぞお兄さん。
「我が名はアリオス・ド・アリスブルー。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔と成せ」
呪文が終わった後にお兄さんの顔が俺に近づいてくる。
そして重なる唇。
前世、現世併せてこれが俺のファーストキス。
だけど俺はモンスターとしての本能か、お兄さん……アリオスの口に中に舌を滑り込ませる。
アリオスはそれにすぐに気づいて離れようとするが、そうはさせない。
俺はアリオスの襟元に縋るように掴んで爪先立ちをして追いすがる。
そんな俺にアリオスは動けなくなってしまったようでおとなしく俺の口づけを受け入れる。
顔を真っ赤にさせて、目じりに涙を溜めているアリオス。
本当ならここで目をつぶるのがマナーなんだが、アリオスの反応が面白くてちょっともったいないや。
俺はアリオスを挑発するように舌を絡めてすぐに引っ込めるのを数回繰り返す。
アリオスも俺に挑発されてその気になったのか、舌を絡めてきた。
ちょろいな。
俺は少し舌をこすり合わせるとすぐにアリオスから離れる。
アリオスはそんな俺に驚いた顔をする。
なーんかアリオスの後ろのほうでキャーキャー女の子から黄色い悲鳴が聞こえてくるけどそれは無視しよう。
アリオスの残念そうな顔のほうがちょっと好みっぽいしな。
ちなみに言っとくけど、俺はホモじゃなくてバイだからな!男でも女でも好みの奴には好意的なんだよ。
「おにいさんのキス、きもちいー♪」
うん、ほんと良いなこのご主人様。
俺はのんきにさっきの感触の余韻を楽しんでいると、背中が痛くなってきた。
なんか焼き鏝を押しつけられるような……イテテテテ!!!
「いったーい、いたいよー!!」
俺は自分の体を抱きしめて泣き叫ぶ。
いやほんとハンパない痛みなんですけどーーー!?
「大丈夫だよ、使い魔のルーンを刻んでいるだけだからすぐに収まるよ。」
そう言って俺を気遣ってくれるアリオス。
なるほど、たかが使い魔にこうやって気を使ってくれるということは結構お人よしなのか。
これなら原作のサイトみたいな扱いはないかな?
とりあえず、よろしくなマスター?
こうした出会った二人。
主人をからかう使い魔とその使い魔にどぎまぎさせられている主人。
この二人がつむぐ物語は光の溢れる虹の色。