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精霊界のお話です。
世界はひとつだけではありません。
ほんの少しずれた場所に確かに存在するのです。
私たちがいるこの世界の近い場所にそのひとつ、精霊界が存在します。
その精霊界は現在、私たちがデュエルモンスターと呼ぶモンスターたちととてもよく似たモンスターや精霊が仲良く暮らしているのです。
その精霊界を治めるのは3人の神様です。
その3人の神様の名前は『オシリスの天空竜』、『オベリスクの巨神兵』、『ラーの翼神竜』です。
精霊界はこの神様たちの下でとても平和な日々が過ぎていきました。
さて、この精霊界にはさまざまな種族がおりますが、双璧と呼ばれるふたつの種族がいます。
青き瞳を持つ白き竜、ブルーアイズ・ホワイトドラゴン。
紅き瞳を持つ黒き竜、レッドアイズ・ブラックドラゴン。
このふたつの種族は精霊界を守護することが役目となっております。
しかし、このふたつの種族は役目を同じくするのと同時に、交わることが許されない種族なのです。
光と闇。このふたつの力が交わることにより、精霊界に混沌を呼ばないためです。
このふたつの種族は交わることが許されておりませんが、決して仲が悪いわけではありません。
そんなある日、ブルーアイズの少年とレッドアイズの少女が出会いました。
少年と少女は最初は仲が悪く喧嘩ばかりしていましたが、それもすぐになくなり二人はとても仲良くなっていきました。
大人たちはそんな二人を見て、それぞれの一族が仲良く手を取って精霊界を守れると考えていました。
月日が経ち、少年と少女は伴侶を決めなければならない年頃になりました。
二人は同族の中から伴侶を選ばなければならないのに、決めることができません。
少年と少女は、双璧でありながら交わってはいけないお互いを愛してしまったのです。
白き竜と黒き竜は愛し合うことを許されない種族。
二人は最初、その想いを隠そうとしましたが、その想いは結局あふれ出てしまったのです。
少年と少女は互いがこのままでは結ばれることが許されないことを理解していました。
少年と少女は、一大決心で一族から離れていきました。
一族から離れた二人は遠く離れた地へと逃れていきました。
二人はそこで愛を誓い、静かに暮らします。
ですが、一族の者がそんな二人を見つけ出し連れ戻してしまいました。
二人は高い塔に閉じ込められ、一族から逃げ出した審判を待ちます。
どれくらい少年と少女は閉じ込められていたのか、不意に一族の者たちが二人を塔が連れ出していきます。
いよいよ審判が下されたのか、と二人も覚悟を決めて塔から出て行きます。
ですが、二人が連れて行かれるのはなんと精霊界を治める三幻神の前です。
三幻神は言います。
二人ともにいたいのか?
少年と少女はそれに当然、はいと答えます。
三幻神は迷いなく二人をしばらく黙って見て、ようやく口を開きます。
それならば、これから与える役目を全うできたなら二人、共にあることを許そう。
三幻神の言う役目ははるか昔に人間界に送った自らの分身の回収です。
近くて遠い人間界を守るために援護として送ったのだが、それももう必要としないだろうということで、回収するものを探していたのです。
分身といえど、ものは強大な力を持つ神の分身。
強大な力のそばではなにかしらの混乱や波乱が渦巻くものです。
少年と少女は神に及ばずとも強大な力を持つドラゴンの一族。
それを理解して、その役目を引き受けました。
こうして、二人の長い旅が始まったのです。
輪廻の環に入り、長い長い魂の旅が……始まったのです。