俺は息を潜めて身を隠す。
あいつらに見つかったら一貫の終わりだから。
手に握っているのは、マスターから渡された一振りのナイフ。
ブリッグズ山の冷気が否応なく俺の身体を蝕んでいくが、ここで火炎系の魔法なんて使ったら一発でバレる。
だから俺は、気配を出来るだけ隠して雪の下に隠れるしか出来ない。
チャンスを待て。
意識を集中させろ。
徐々にあいつらが俺のところに来るのが解った。
この吹雪の中でもわかる独特の獣臭さがなによりの証拠だ。
さぁ・・・勝負だ!
「うーん、人食い熊との戦いはまだちょっと早かったかな?」
リナは半狂乱で魔法を使っているエドワードを見ながら、そうのたまった。
[1回]
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