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今回は悪魔襲撃事件!

ナギのお相手と新たな兄弟が判明!!

「くわ~……ねみぃ……」

こんちわ、アギ・スプリングフィールド4歳になりました。
原作だと悪魔が村を襲撃するんだが、この世界だとどうなるんだろうな~……さすがにMM上層部もスプリングフィールドがいないと魔法世界が存続できないことは知っているだろうからないと思うけど……こういう場合世界の修正力が働くっていうからなぁ……

この時点で多くのオリ主はすでに魔法世界なり日本なりに逃げていたり、迎撃するだけの力をつけているのが普通なんだが俺はそうなるだけの実力もコネもない。
俺は特にチートもないし、天才的に魔法を習得しているわけじゃない。
出来ることと言ったら最低限魔力を体に纏わせて身体能力を上げること。
一応、俺とネギが合わされば(踊り的な意味で)結界を張ることはできるけど、それもとっさに出来るわけじゃないから気休めだ。
村全体を覆うものを作ろうと思ったら一族全体の協力が必要になる。
じーさんなら一人でも出来るんだろうけど、じーさんは魔法学校の校長でもあるからいつも村にいるわけじゃない。
こんなガキが悪魔の襲来するなんて言ってもまともに取り上げられるわけないしな。
だから俺が出来ることと言えば身体能力を強化することと踊り手の魔法を練習することだな。

ちなみにアーニャの家族も村にいました。
一族の秘密を口外しない口が堅い人たちに限って村に在住することが許されているんだよな。
20人くらいじゃ村として機能しきれないし。

 

 

 

 

 

 

「みなの衆!ちかぢかこの村に大きな災いが訪れることが占いで出た!これよりその防衛策をとる!時間がないのでみな頑張ってくれ!」

はい、なんかすごいことになりました!
ある秋の頃、いきなり村の人間が集められた集会でじーさんに告げられたことに俺はびっくりして思わず固まってしまった。
なんだよ、いきなり占いって!災いって悪魔襲撃事件のことか!?
うわ~……最初から原作ブレイクしているのはわかっていたけど、ここまでなるかフツー。

占いに関してはそういった専属の奴が村にいるそうだ。
俺、ここに住んでいるのに初めて聞いた。
それで今まで大きな災害に関して乗り切ったというから大したものだよ。
そういや原作でネギも占いが出来るんだったな。
この事件を乗り切ったらやらせてみよう。
とりあえずは俺たちは踊りの稽古だな。
いざとなったら俺たちが結界を張る要になるんだしな。

 

 

 

 

 

 

 


「ネギ、走れ!」

「ア、アギ!」

あれから数か月が経った。
どうやら俺たちの抵抗はむなしく終わったみたいだ。
渾身の力を籠めて作った結界なのに、それをあっさり突破されちまったよ……
悪魔は次々と村に入り込み、村人たちに襲いかかる。なんか日本の妖怪っぽいのが多いような気がするけど、サウザウンド・マスターって呪術協会からも恨まれているから応援呼んだのか?
石化の魔法で石にされる村人たち。
あいつらはどうやら殺す気だけはないみたいで、建物は壊していくが人間は傷つけないようにしている。
村人たちも戦っているけど、さっきまで結界のほうで魔力を使っているからじり貧だ。
俺は燃え盛る村をネギの手を弾きながら必死に走る。
いまここで立ち止まったらどうなるのか一目瞭然だ。
石化の一択しか思い浮かばねー!
それにしてもなんでこんなあっさりと結界が敗れたんだ。
一族のみんなが魔力を込めて作ったかなりの防御力を持つ結界だったっていうのに……

「ア、アギ…ヒック…これ僕が…グズっ悪いのかな?ピンチになったらお、お母さんが……来てくれるって……お、思ったから……!」

ネギが何をトチ狂ったのかそんなこと言い出しやがった。
こいつはまだ4歳で結界を張る踊りも幼いながらも必死に覚えてやっていて、魔力を効率よく回せないけど、それでも限界ギリギリまで絞り出して……

「バカヤロウ!!そんなわけないだろう!子供が親に会いたいって思うのは当たり前だ!!」

「で、でも……」

「それ以上言うな!それだったら俺も、じーさんもスタンのじーさんもネカネ姉もみんな会いたがっているんだ!お前だけが悪いんじゃねぇ!!」

俺は握る手に力を込めながら、そう叫ぶ。
悪魔に見つかるかもしれないが、それでもこれだけは言っておかないといけない気がする。
まだ5歳にもなっていないガキにこんなこと言わせるなんて、自分が情けなくて泣けてきちまう。
漫画読んでいた時はネギのことそんなに好きじゃなかったけど、こいつまだ親に甘えていたい子供なんだ。
いくら仲のいい友達とか恋人?ができても親の愛情に飢えてる子供なんだ。
こんな土壇場になって気づくなんて、自分が本当に情けねー……

なぁナギ?早く現れてくれよ。
俺はほっとかれて正直殴りたいけどよ。ネギのことは抱きしめてやってくれ。
頭撫でるだけじゃなくて、こいつは親に愛されているんだって思わせてくれ。
兄弟の俺じゃいろいろ足りないんだ。
小太郎に愛されているって言われても、こいつガキすぎてまだよくわかってないんだ。
だから頼む……はやく……はやく……!!

「はやくきやがれ、ナギーーーー!!!」

ドガアアアアアアアアアアンンン!!!

シャラァァァァン

俺の叫びと同時に俺たちに迫っていた悪魔が雷とともに吹っ飛んでいった。
それと同時に聞こえてきた鈴の音。

「じーさんか!?」

俺はじーさんが来てくれたのかと思って振り返るが、そこにいたのはじーさんじゃなかった。
フードで顔を覆っているけど、首元から反射で赤く光っている宝玉。
両手両足についている腕輪とアンクレットも一族特有の紋様が彫りこんだ特殊なもの。
それにフードから覗く顔は、俺やネギによく似ていた。
なんだよ、やっと来てくれたのかよ……

「すまない、遅くなった。怪我ないかアギ、ネギ。」

そこにいたのはナギ・スプリングフィールドだった。

「遅すぎるよ、母さん。」

 

 

 

 

 

 

 

「ここまでくれば大丈夫だろ。」

今俺たちはナギに連れられて小高い丘にいる。
どうやら石化された村人たちもここに避難させたみたいで、そこかしこに石像がならんでいる。
ネカネ姉はじーさんが危険だからと魔法学校にいさせたままだからここにはいない。
俺はネギを気遣いながらナギの様子を見ていると、ナギは腕を一振りして足も一度鳴らすと俺たちを覆い尽くすように結界が現れた。
すごい……この日の為に結界の踊りを練習していたから解る。
あんな簡単な動作でこうもたやすく結界が張れるなんて生半可な練度じゃない。
これが本物の踊り手の実力……!!

「それじゃあいつら片づけてくるから、おまえらはそこでまってろ。」

そこからは本当にナギ無双でした。
村人たちは全員避難させてあるから出来ることだろうけど、村ごと魔法でなぎ倒してるよ。
いや、な。さすがに貴重なものが保管されているところの重要性は解っているみたいだからきっちり避けているけどな……
本来なら補助関連に向いている一族なのに見事にあそこまで戦闘できるな。
俺はちらっと隣のネギを見るが、これはまぁ見事に固まっているよ。
きっと村の母親?たちを見ていて、こいつなりの幻想を持ってたんだろうに見事に砕かれたな。
そうやってしばらくしてナギがこちらにやってきた。
ネギはそれにびくっと肩を震わせていたけど、逃げる様子はない。
そこからは原作通りネギに自分の杖を渡して、消えそうになったけど俺はとっさにローブの端を掴んで引き留めた。
なんかぐぎって音が鳴ったけど、そんなの無視だ!

「いで!なにしやがるアギ!!」

「そっちこそ待て!俺たちはずっと母さんの帰りを待ってたんだぞ!?せめて抱きしめるなりなんなりもっとやることあるだろ!?」

俺の言葉にナギは気まずそうに頭をかくと、俺とネギをまとめて抱きしめてきた。

「そう……だよな。ごめんな、おまえらまだこんなにちっさいのに、さびしい思いさせて……俺、親失格だよな……」

そうやってナギが抱きしめる腕に力を込めるのがわかった。
俺はその暖かさをネギと一緒に笑いながらしばらく浸っていたけど、次のナギの一言に絶句した。

「あいつも……コノカのことも満足に抱きしめてやれたらな……」

まて、今なんて言った。

「母さん?」

「ん?どうしたアギ?それと母さんはやめてくれ。せめて父さんにしてくれないか?」

「それぐらいは受け止めろよ。それよりさっきなんて言った?俺たちのほかにまだ子供がいるのか?」

「え?そうなのお母さん?」

ネギもこの話題には食いついたみたいで、ナギをまっすぐ見つめる。
ナギは俺たちの反応は予想外だったようで、目を丸くしている。

「へ?おい、まさかまだ聞いていないのか?」

「だから俺たちにはまだ兄弟がいるのかって話だよ。コノカって……」

まさかと思うけど……原作のあのキャラじゃないよな?

「あ……あぁ、そうだよお前らの姉のコノカ。少し訳があってあの子は俺が母親であることは知らないけどな……詠春の奴も大丈夫なのか?(ボソ)」

をい!?最後になんかぼそっと聞こえたぞ!?
あの人なのか?あの人が俺たちの親なのか!?
うわ~……どうりでちょくちょくこっち来ては俺らに良くしてくれるわけだよ。
つか、あの人って呪術協会の長で確か結婚しているはずだよな?
不倫?これって不倫なのか!?

そうやって凍りついた俺をおいて、ナギは時間だと言って消えていった。

最後の最後でとんでもない爆弾を残して。

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