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なんか自分でも設定を忘れているところが多々あってすっげーやばい状態っす。
しかもなんか話が尻切れトンボ!
こんなんでよろしければ暇つぶし程度にお読みください。
そろそろアニメと漫画を読み返さないとストーリーの順番、思い出せないや…
現代の日本ではそうそうお目にかかれない満点の星空
それをこの『世界』では簡単に見られる。
動かない、流れることのない星空を
.hack//hydrangea
第24話『天の川での再会』
月日が流れるのは早いもので、もう夏です。
何月か解らないけど、まわりの人たちの会話を聞く限り季節は夏です。
タウンでは常に気温は一定っぽいので、特に暑さを感じません。
さすがにマク・アヌは水の都と呼ばれているだけあって涼しいけどな。
「そういえば、もうすぐ七夕イベントがあるのよね?」
「そうそう。なんだか景品もすごいらしいわよ。」
道行く人たちのそんな言葉を聞いて、俺は思い出す。
「七夕か・・・」
ま、シリアスっぽいのはここまでにしておいて!
俺は現在、七夕イベントがあると言われるエリアにきておりやーす!
イベント大好き人間の俺が、これを見逃すわけにはいかないっしょ!!
ん?なんでイベント日時がわかったのかって?
それは単純な話。
タウンをうろついているときに、今日あるって告知が出ていたからな。
いやー日頃の行いが大切って本当だなー♪
そんなわけで、俺はイベント会場にきてるってわけ。
短冊に自分の願い事を書いて、今はレキが司会するのを見てる。
お、シューゴたちも参加してるみたいだ。
俺は前方のほうに「レナーーーー!!!!」と叫びながらまわりの奴らに取り押さえられている紅い双剣士の姿を見て、苦笑が出た。
どうやら景品にレナちゃんが選ばれたみたいだからな。
・・・これは偶然なのか必然なのか微妙なところだな。
俺はシューゴたちに近づこうとしたが、近くに三十郎やバルムンクを見つけて留まった。
あいつらがいるなら、俺が近くにいなくても大丈夫だろう。
・・・って!バルムンクは主催者側だろ!?
なんでちゃっかり参加者組に混じってる!?・・・レキに仕事を押し付けやがったな。
俺はレキに哀れみの目を向けている間に、織姫争奪戦~タナバタDEタナボタ!~が始まった。
しかし・・・なんつーネーミング。
ルールは単純に、大きな川に隔たれたステージに一番早くたどり着いた人の勝ち!ってやつだ。
七夕の織姫と彦星に由来するんだろうけど、本当に解り易い。
そんなこんなでレースが始まった。
俺はとくに参加者に加わることなく、今回はのんびり見学。
・・・万が一にも優勝したら、俺がシューゴに殺されるしな・・・
俺は今回のレースの出場を諦めて、大人しく大河の湖畔に腰掛ける。
それでしばらくレースを見ていたら、いきなり先頭の奴らが食われた。
うわっえげつねぇ・・・先走りすぎるとあらかじめ用意していたモンスターに食われる仕組みかよ。
こいつはいかに隊列とつかず離れず、相手を出し抜けるかが勝利の鍵だな。
なーんて、冷静に分析している俺だがぶっちゃけ暇だ。
みんなレースに参加しているから、俺の話し相手になってくれる奴はいない。
ここに誰か残っていてくれていると、助かったのに・・・
「あんた、レースに参加しないのかい?」
俺は不意に背後から声を掛けられて、後ろを向く。
そこにいたのは、いつしか俺がサポートしてやった失礼なクソガキのうち一人の剣士!
「そういうあんたは参加しないのか?」
俺は頬が引きつるのを必死に押しとどめて、そう返す。
「うん、あの子って好みじゃないし、プレイヤーが男だったら目も当てられないでしょ?」
「・・・そうかい、そんで俺に何の用だ?」
「んん~?とくに用事があるわけじゃないけど、ちょっとあんたに興味があってね。『闇の紫陽花』」
その瞬間、空気が凍ったと感じた。
俺は表情を動かすことなくしらをきる。
「いくら同時期にプレイしているといっても、俺はあいつじゃねぇ。俺は『孤高』だ。」
クソガキの剣士は、俺の言葉を検分するような目で見てくる。
こちとら胡散臭いCC社の上層部とそれなりに渡り合っているんだ。
そう簡単に表に出してたまるか。
剣士は俺がボロを出さないと解ったのか、肩をおおげさにすくめる。
「ちぇ!カマかけに引っかからないなんて、あんたって相当な狸だね。実はリアルじゃ爺さん?」
「怒らせて情報を引き出そうなんてしても無駄だ。そういうお前のリアルは容易に想像がつくな。せいぜい小学生かよくて中学生くらいだろ?」
俺がそう言ってやると剣士の目には驚愕の色が色濃く滲んでいる。
どんなにCGとテクスチャで創られたデータの世界であっても、『目』だけは嘘をつかない。
どんな仕組みか知らないが、俺にはPCを通してプレイヤーの感情を目で判断できる。
…つっても、よっぽど感情を隠すのが巧い奴らなら、その限りじゃないけどな。
だいたいの奴らなら、俺が感情を読めるなんて想像もしないからストレートに感情を表すから楽だ。
剣士は俺が情報を吐かないと解ったのか、その場に座り込んでふて腐れる。
その様は、親とか先生に怒られて拗ねたみたいな…本当にガキだ。
俺は付き合いきれなくてその場から踵を返す。
「あんた、もうちょっとここでのマナーを覚えなきゃ大変なことになるぜ?」
俺は背後で憤慨しているだろう剣士を振り向くことなくゲートアウトした。
どうせ、優勝はシューゴかバルムンク辺りだろうからな。
このとき、俺がもっと物語を詳しく覚えていたら…事態はもっと早く収束したのかもしれないと…今更ながら悔やまれてしまう。