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1つ目の物語が終わった。
それは次の物語への始まりでもある。
次の物語は一体どうなるのか・・・
それは俺にもわからない。
.hack//hydrangea
『第一の幕・開幕』
司たちはどうした?
という質問が来そうですけど、とっくに終わっていました。
だって・・・だって・・・訓練にかまけ過ぎて時期を見送ってしまったんだよ!!
俺が気がついた時には司はログアウト出来るようになってたし・・・
あー!なんで肝心な時になにも出来なかったんだよ、俺は!!
しかもただ今ちょっと厄介なことになってます。
「てめー・・・毎回しつこいんだよ!!!」
俺はアルビレオと一緒にダンジョンに潜っていたら(パーティは組んでない)、紅い十字架の杖を持った1つ目の人形のようなモンスターが俺たちの眼前に現れた。
モルガナの走狗、第一相『死の恐怖』スケィス。
俺とアルビレオはすぐに華の牙を構えて迎え撃つ。
実はこれでスケィスと戦うのは初めてじゃない。
司の事件が終わってから、頻繁にじゃないが俺とアルビレオのもとにスケィスが来るようになった。
狙いは恐らくスノーフレークとリコリスだろう。
いくらデータが書き換わっていても試されし夢産みの失敗作、モルガナにとっては面白いものじゃない。
狙われるのは当然のことってわけだ。
んで、俺とアルビレオはスノーフレークとリコリスの力のおかげで、なんとか倒せないまでもいかないが追い払うぐらいはできる。
さすがにスケィスを倒すのには、データドレインの力が必要だけど、追い払うぐらいならスノーフレークとリコリスの力で十分だ。
・・・・・・たまにアウラがスケィスに追いかけられてるのも見掛ける。
その時もちゃんとアウラを助けるためにスケィス追い払うぞ。
「ハイド・・・おまえこれで『死の恐怖』に会ったのは何回目だ?」
アルビレオはいささかうんざりした口調でスケィスを見る。
しっかり槍を構えているところは流石と言えるだろう。
俺もスケィスから目を離さずに応える。
「確かこの半年で俺単独3回、アウラ込み4回の計7回・・・本当に執念深い奴。」
「そうか・・・俺は単独2回にアウラ込み3回の計5回・・・俺とお前合わせての接触は今回初めてだな。」
俺とアルビレオは揃ってため息を吐く。
対処方法なんて、とっくの昔に習得済み。
最初に比べれば、最近は楽に追い返せる。
アウラも俺らのどちらかを避難場所と認識しているせいか、遭遇率が高い。
この間もスケィス追い払った後に世間話したほどだ。
そんで戦闘シーンは省くけど、今回も無事スケィスを追い返しました。
「はー・・・」
「随分深刻そうなため息だな、ハイド。」
俺はマク・アヌの橋の上で、ふかーくため息を吐いているとバルムンクが怪訝そうに話しかけてきた。
俺がため息を吐いた理由?
そんなの決まってる。
どうやってカイトが腕輪を手に入れたのか、その経緯を度忘れしたからだ!(キッパリ)
ホントどうやってかな~?
なにか大切なことを忘れている気がするんだよな。
アルビレオが名実仲間になって、スケィスを追い払うのも慣れて、ネットスラムへ行って放浪AIたちと親交深めて、物語に向けての準備も着々と進んでいるのにこの調子じゃやばい・・・
俺はもう一度深くため息を吐くと、バルムンクが思い出したように言った。
「そういえば、明日オルカがリアルの友達を連れて来るって言っていたな。」
普段リアルの話をすることを嫌うバルムンクが珍しくもそう言った。
・・・・・・どうやら余程今の俺は、落ち込んでいるように見えるらしい。
バルムンクがリアルの話をするなんて、天変地異の前触れだとしか言えん。
いや・・・実際に天変地異の前触れか。
「へ~・・・オルカがね~・・・はて?」
え~っと確かカイトってオルカのリアルでの友達だったよな?
そのカイトが明日来る。
それって物語が始動するってことだよな?
アウラから腕輪を受け取るのは解っているんだけど、その前になにかあったような・・・
ま、明日待ち伏せして一緒に行けばわかるだろ。
俺はその日は軽くダンジョンで体を動かして、ホームに戻った。
念のため、アイテムの補充は忘れずにやっておく。
蒼炎は舞い降りた。
黒き薔薇ももうすぐ降りる。
”誕生”の物語の幕が上がる。
白き華を携えし者は、如何様に舞うのか。
誰にもわからない。