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エクソシスト・・・伯爵の敵で、俺たちアクマを破壊する黒の聖職者。

けどさ・・・俺1回も会ったことねーや。
 


D.Gray-man~逆十字の使徒~
『龍樹の独り立ち』








ハロー、龍樹くんでーす。

生まれてしばらく伯爵やその家族の身の回りのお世話をやっていたアクマです。

そして・・・そして!!やっと伯爵に1人で外の世界に行ってもいい許可が下りました!!!

いやー!今まで外に出るなんてロード様や伯爵のお使いで、そんな遠くにまで行けなかったからねー嬉しいわv

俺はヨーロッパの地図を広げながら、何処に行こうかと考えていた。

やっぱりロンドンかな?

それともスイス?う~ん、ヴァチカンでもいいかな?

敵の国だけど。

俺は色々考えたけど、その辺ふらふらすることに決定。

旅は男のロマンだー!!アクマだけど。

そうと決まれば荷造り荷造り♪

これで、ロード様の宿題の手伝いからも逃れられるーw









「ふわー・・・すっげー雪・・・」

俺は一面の銀世界を目の当たりをしながら、ゆっくり歩く。

背中に背負ったリュックに雪が積もって重いけど、そんなに苦になるもんじゃない。

こうして白い世界を見ると、自分は本当にアクマなのかわからなくなる。

俺は他のアクマのように腹が減って人間を殺したいなんて思わない。

腹が減ったなら、普通にご飯を食べて満たす。

それが俺の"当たり前"。

人間を殺さない俺を、伯爵は随分歯痒く思ってるみたいだけど、外の世界に出ればアクマの本能が目覚めていずれ人間を殺すだろうと思って、伯爵は俺の独り立ちを認めてくれた。

一応伯爵は俺の創造主だからな。

それなりに感謝してる。

けど、他のアクマのように忠誠を誓えるかと聞かれれば、答えは『否』。

俺は生まれたときから、既にプレイヤーの手を離れている存在だ。

いくら創造主の命令でも、人殺しなんかしたくない。やりたくもない。

・・・本当に、よく今まで廃棄されなかったな、俺。

そのおかげで、他のアクマたちからは贔屓だって言われるしなぁ~

たまったもんじゃねぇや。たまに攻撃されるし。

攻撃されたら、その時点で正当防衛発動。

きっちり報復はしてる。破壊してないけど。

俺は雪を踏みしめて、歩いていると黒のコートを着ている怪しい帽子を被っている男がいた。

俺はまわりを良くみていると、どうもそこは墓地らしい。

黒い十字架の墓標があちこちに見える。

うわっこんなところ来る気なかったのにな・・・

コートの男はその場に座り込んだ。

よく見れば、男の向こう側に小さな子供がいる。

なんか怪我してるっぽいな。

俺は恐る恐る2人に近づく。

「破壊するしか救う道はなかった。」

コートの男が不意にそう言う。

俺はそこで初めて、この場所にアクマがいたことに気づいた。

魔道式ボディの小さな破片があちらこちらに散らばっているから。

そして・・・この男の正体もわかった。

「・・・・・・エクソシスト」

俺たちアクマの敵で救済者・・・

コートの男はそこで初めて俺の存在に気づいたみたいで、急いで振り向いた。

顔の半分を仮面で覆っている変な男だ。

けど、その肩にある十字架を見て、俺はそいつがエクソシストだと確信した。

「・・・おまえは誰だ?」

「旅人です。ちょっと迷子中の。」

ほーんと、こんなところに来る気なかったんだぜ?

さて、あんたは俺をアクマだと見抜けるかい?

俺は茶化してそう言う。

俺としては、戦う気ないけどそっちがやる気なら自分の身を護るために俺は戦うぜ?

それで、男の反応は・・・

「この墓地を出て右に曲がれば大通りに出る。そこから左に曲がって最初の角を右に曲がって、2番目の角をもう一度右に曲がればホテルに着くぞ。」

・・・・・・意外に親切だな、あんた。

俺はありがとうと礼を言うと、くるりと回れ右をした。

そのまま歩こうかとも思ったけど、俺はこの雪の中ひっそりと咲く小さな花を見つけた。

俺はそれを根から掘り、それを子供が寄りかかっている墓に埋めなおした。

多分、この墓がこの子供の家族か知り合いの墓だ。

マナ・ウォーカー。墓にはそう刻まれている。

子供と大人は、俺の行動に眼を丸くして驚いている。

俺は軽く黙祷を捧げると、子供の頭をぽんと軽く撫でて今度こそ墓地から去っていった。

あの子供には、またいつか会えるような・・・そんな予感を覚えて。








<子供視点>

いきなり現れたその人は、コートの男の人に道を教えてもらうとさっさと墓地からいなくなろうとした。

けど、いきなりその辺の雑草を掘り出してマナのお墓に供えてくれた。

僕はその人をよく見たら、普通の人間と同じじゃなかった。

さっきの・・・マナと同じような・・・

僕はとっさに叫ぼうとしたけど、出来なかった。

その人が、僕の頭を優しく・・・撫でてくれたから・・・

マナと同じような、優しい温もりで・・・

その人は、今度こそ墓地からいなくなった。

僕はコートの男の人に、エクソシストにならないかって言われて頷いた。

何故だか解らないけど、エクソシストになれば、もう一度あの人に会えそうだから。

「おまえの名前は?」

「アレン・・・アレン・ウォーカーです。」

「よし、アレンついて来い。」

「はい!」

僕はコートの男の人について行く。

そして・・・

「見つけたぞ、クロスー!!」

「金返せー!!」

「彼女返せー!!!」

・・・・・・師匠と一緒に全速力で逃げました。

僕・・・ホントにこの人について行って、大丈夫なのかな?

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