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もう一人の主人公sideのお話
それは本当に突然のことだった。
俺はいつも通りに学校に行って、部活をやって、友達と一緒に遊んで、いつものように家に帰る。
今日もそんな風に何事もなく当たり前に過ごすと思っていた俺は、突然目の前が真っ白になった。
俺は思わず体をひねり、回し蹴りのようなフォームで回転すると俺の脚に何かが当たった。
ドゲシッ
「げは!!!!!????」
「あれ?」
なんか蹴っちまった・・・・・・って爺さん!?
「うわぁぁ!!だ、大丈夫か爺さん!!?」
ロマンスグレーが似合いそうな爺さんが倒れている。
俺は急いで抱き起こすが、なんか虫の息っぽいんですけど!?
「うう・・・・・・い、今までいろんな奴を召喚したが・・・・・・直後に回し蹴りを食らったのは、おぬしがはじめてじゃ・・・・・・ガク」
爺さんが気絶して、俺は呆然としながらも爺さんを起すのに躍起になりました。
偶然で殺人なんか俺は嫌だぞ!?
「まったく・・・・・・えらい目にあったぞ。」
「それについては謝るけど、人を娯楽のために殺した奴に言われたくねぇ。」
あの後、なんとか爺さんを起した俺は事情を説明させて、こみ上げる怒りを抑えながら睨みつける。
爺さんは俺の睨みなんかまるで気にせず、本を選べと迫ってきた。
そう言われても、どの本も同じに見えるしどんな能力をもらえるのかも解らない。
これがテンプレの転生ものなら好きな能力をもらえるんだろうなぁ・・・・・・
俺は適当に本棚から本を引っ張り出すと爺さんに渡した。
「これでいいのか?」
「どんだけ見ても見分けなんかつかねぇんだから、運任せしかないだろ。」
爺さんはそれを聞いて、それもそうじゃと呑気に言いながら、本を開く。
いい能力が当たればいいんだがなぁ。
「これは、獣の奏者の本だのう。能力は王獣の能力。」
「へ?獣の奏者って・・・・・・・女の子が獣操ってなんか戦争に関わる話だったっけ?」
うーん、一回読んだだけだからなんか知識が曖昧だな。
「なんかいろいろと省いとるが、概ねそんな感じじゃな。おぬしはその中の王獣に変身する能力が与えられた。それに伴って、獣を使役できるぞ。王獣は概念的に獣の王じゃからな。」
「いや・・・・・・王獣って王の獣って意味じゃなかったか?」
獣の王と王の獣・・・・・・似ているようで大分違うぞ。
「そこは概念的なものと言ったであろう。細かいことは気にするでない。それで転生する世界は・・・・・・ここでいいじゃろ。」
爺さんはそう言うと飛んできた本を取ると、本から光が溢れて俺は意識が遠くなっていくのがわかった。
「頑張ってわしを楽しませてくれよ。」
それを最後に俺の意識は完全に途切れた。
「ふむ・・・・・・これはそろそろ転生者が増えてきたの。次の転生者は別の本に送るかのう。」
老人がそう言いながら先ほど男の子と女の子を送った世界の本の表面を撫でると、先ほどは何も書かれていなかった表紙に文字と数字が浮かび上がっていた。
その本にはこう書かれていた。
魔法少女リリカルなのは 転生者数13578752人