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「今回はスイカか?」
俺は仕事の報酬に貰った食い物データを見ながら、アルビレオに聞いてみる。
「ああ、もう夏だしこういうのもたまにはいいだろ。」
俺はそれを聞いて、感慨深く頷いた。
「そうか、リアルじゃもう夏なのか。」
ここで季節を感じることなんて、ほとんどない。
感じるとしたら、なにかしらのイベントの時ぐらいだ。
「それじゃ早速いただくか!」
俺は圧縮されてあるデータを解放する。
たちまち現われるのは、木の桶に氷水を張って、その中で冷やされている大きなスイカ。
「へー!こりゃうまそうだ。アルビレオも食ってけよ。」
「そうだな。頂くよ。」
俺は双剣を取り出すと、スイカをすぱっと切った。
スイカは綺麗に真っ二つに切れて、紅く熟れた身がその中身を・・・あれ?
「なぁアルビレオ・・・」
「なんだハイド?」
「これって種だよな?」
「ああ、間違いなくスイカの種だ。」
俺とアルビレオはスイカの断面を見る。
そこにあるのは紅い身じゃなく、ぎっしり詰められてる黒い種。
なんだこれ?これは俺に対する嫌がらせか?
俺は拳をふるふる震わせて、おもむろに天を仰いだ。
「ふっざけんなー!!!」
後日聞いてみると、作っているプログラマーが、俺が本当に食ってるのが信じられなくて、試すつもりでやったと判明された。
それでその後、俺は再びスイカを手に入れた。
ま、味がよかったから許してやるよ。
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