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こんちわー、今年13歳(ホントは20歳)のリオン・神楽でーす。

りっちゃんも無事に、媒体を指環に変えて売り払いました。

そんでみなさんがご存知の通り、今年はシリウスさんが脱獄するんだが・・・大丈夫かな?

俺はそんなことを考えながら、目覚めてパジャマから服に着替える。
 


死神からの招待状~3rd Stage~
『捨てる記憶あるなら、拾う犬あり』








『リオンおはよう!』

「はよ、フラッフィー」

俺が着替え終わってからフラッフィーを抱き上げると、3つの頭が交互に俺の顔を舐めてくる。

「あははは、くすぐったいよ。ジェームズさんやリリーさんはどうしてる?」

俺が聞くとフラッフィーはすぐに答えてくれた。

『えっとねー、ジェームズはリドルとチェスをしててね、リリーさんはゴハン作ってる。』

うわっまたリリーさんに迷惑掛けちまったな。俺が朝飯作ろうと思っても、リリーさんが先に起きて作っちまうし。

俺はフラッフィーを抱えたままリビングにつくと、そこには楽しそうに料理を作っているリリーさんとチェス盤を真剣な顔で睨んでいるジェームズさんとリドルが居た。

「おはようございます。」

俺が挨拶するとリリーさんがすぐに返してくれた。

「おはよう、リオン君。もうすぐ朝食だから、フクロウ便を受け取ってくれないかしら?」

リリーさんに言われて、俺はいつの間にか窓にいるフクロウに5クヌートを支払って新聞を受け取った。

そんで俺はジェームズさんに新聞を渡して、そのあとその新聞受け取ったジェームズさんと覗いていたリリーさんとリドルが、一瞬で硬直した。

俺は新聞記事の一面を見て、なんで硬直したのか理解した。

        『シリウス・ブラック アズカバン脱獄』

「「『やりやがった、あのバカ犬ー!!!!』」」

うお!?すげー声・・・

フラッフィー怯えなくていいからな。

「あーもー!なんで脱獄なんかしたんだ!?」

「きっとなにかでピーターでも見つけたのでしょ!」

『いや、この犬のことだからハリーに会いにホグワーツにくるぞ。』

リリーさん、リドル、それ正解。

うわ~シリウスさん無事でいられるかな?

俺は、2年後より早死に(死なす気ねーけど)しないように祈ることしかできなかった。



 

 

 

 

あれから一週間。

俺は薬草を集めたり、食べられる木の実を求めてリドルと一緒に、樹海を歩いていると、黒くて大きなものを見つけた。

「なぁ、りどるん。」

『なんだいリオン?って聞かなくても想像できるけど・・・』

よくわかってるじゃん。

俺は大きくて黒いものを指差しながら・・・

「飼ってもいいかな?」

『ちゃんと世話しなよ?』

「わかってるよ。」

今日の収穫。

薬草と木の実数種と黒わんこ。

 

 

 

 

 


犬を連れて帰ったら、ジェームズさんとリリーさんはすっごく驚いた顔してたけど、すぐにニッコリ(ニヤリとも言う)笑った。

「う~ん、随分大きな犬を拾ってきたね。」

「ほ~んと、私たちが知っている犬とずいぶん似ているわ。」

あー・・・お二人さん怖いです。

「弱ってるみたいだし、とりあえず回復させなきゃ。ケアルラ。」

俺は回復呪文を唱えてあげると、ぐったりしていた犬は驚いたようにぱっと顔を上げたが、すぐにまたぐったりとした。

『は・・・腹減った・・・』

・・・こいつ腹すかしてあんなところで倒れてたのかよ・・・

俺はなにか食わそうとキッチンから、この間食べたチキンの残りを持ってきた。

な~んか、4巻でシリウスが「チキン!」と言うのがなぁ~

俺は犬の前でチキンをちらつかせると、すぐに食らいついてきた。

「おまえよっぽど腹減ってたんだな。首輪もつけてねーし、飼うなら犬小屋も新しく作らなきゃな。あ!そろそろドッグフードも買い足さなきゃいけないし、それに・・・」

俺はいろいろと必要なものをリストアップしていると、後ろのほうで、ジェームズさんとリリーさんとリドルがなにやら笑いを一生懸命かみ殺してた。

なんだ?

犬はチキンを食い終わって落ち着いたのか、辺りを見回すとジェームズさんとリリーさんに目に留めて、一瞬にしてこれでもか!というぐらいにまで後ずさった。

しかも、なんか怯えてる?

「わ・・・わんこ、どうした?」

『うそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだ・・・ぶつぶつ』

お~い?なにをそんなに怯えてんだよ。

犬は自分で頭を抱えてうずくまり、なにやらブツブツと自己暗示の如く呟いている。

「なにがうそか知らねーが、落ち着け!」

パシン!

俺はハリセンで犬の頭をとりあえず、どついた。

「「『(どっからだした!!?)』」」

『ぐぅ、なにしやがる!』

「うっせー、とりあえずわんこ?名前は?」

俺が問うと、犬は怒ったように言った。(吼えた?)

『わんこじゃねー!!俺の名前はシリウスだー!!』

・・・うそだろ?このヘタレの権化のような犬が俺の憧れのシリウスー!!?

誰か嘘だといってくれー!!

ってかバカだろ!?名前聞かれてバカ正直に本名いうなよ!!

俺の夢を壊した代償だ・・・てめぇが犬のフリするなら付き合ってやるよ・・・

「シリウス・・・大犬座の主星か。確か脱獄半も同じ名前だったな。」

俺がそう言うと犬・・・シリウスは(もう呼び捨てで十分だ!!)ビクッと体を震わせた。

・・・こいつ、おもしれー・・・

「え~?シリウスなんてこの犬にはもったいないよ。どうせなら馬鹿犬とか。」

「あら、ジェームズ。それならアホ犬なんてどう?」

『いっそのこと、ヘタレでいいんじゃないか?』

・・・3人とも最初からシリウスだって、気づいてたのかよ。

「君はあの名前はどう思う?」

一応確認は取る。

『ぜってーやだ。』

あ、やっぱり?それなら・・・

「天狼星はどうかな?シリウスの中国名なんだけど?」

普段は『天』とか『狼』とでも呼べばいいし。

俺の名前が気に入ったのか、シリウスは大きく尻尾を振る。

・・・やばい。思いっきし笑いてー!!完璧に犬だ!!

「おし、そんなら今年はフラッフィーと一緒にホグワーツに行こうな。」

『って、リオン!?本当にそいつを連れて行くのか!?』

「うん。ハリーたちに紹介してーし、それにこいつが入れば夜あったかそうだしな。」

リドルは呆れたようにため息を吐き、ジェームズさんとリリーさんはハリーの名前を聞いて、ハッとした。

「そうだ、ハリー!今年ハリーに会えるんだよね!?」

「ああ、ハリーハリーハリーハリー、きっと大きくなってるわよね!?」

「いや、あの!落ち着いてくださいよ!今年度中には会わせますから、俺からの手紙が来るまでここで大人しくしててください!!」

ぜー、ぜー、この二人をおさえんのも楽じゃねー・・・

しかし、この後もう一度俺は疲れることになった。

なんせ、ハリーがマージおばさんを膨らませたんだから、しかも5日前。

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