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連続でちょっと疲れた;;


その日の私は結界を張らずに魔女の姿のまま、夜の街を箒に横乗りで飛び回っている。
もちろん普通の人間には見えないように軽い認識障害は掛けてある。
魔女は箒に乗るものだから、私にとって箒に乗るなんて軽いものだ。

夜の街はたくさんの灯りに照らされて空から見ると宝石箱のようにも思える。
うん、地上の星とはよく言ったものだ。
そうやって私が空を悠々と飛び回っていると目的のモノを見つけた。
いや、正確には感じた。と言うべきかな。

魔女はどうやらお互いがどこにいるのか解る性質があるみたいだ。
近くにいれば正確な場所すら把握できる。
私はそれを辿って見つけた魔女の紋章を通って結界に入り込む。
それと同時に周りの景色が一変する。
私の結界とは違う。
子供が描いたような落書きのような抽象的な世界。

「落書きの魔女、アルベルティーネ……」

結界から読み解いた情報。
かくれんぼが大好きだけど、手下にすら見つけられることがない。
誰にも見つけてもらえない無知で孤独な可哀そうな魔女。
私は箒に乗った状態のまま、結界の迷路を進んでいく。
同じ魔女だからなのか、彼女がどこにいるのかまるで導かれるかのように解る。
私は襲ってくる使い魔を杖で叩き落としながら最深部を目指す。
気分はもぐら叩きなのはちょっと楽しい。
そう思う自分に苦笑しながら箒のスピードをさらに上げていく。

「ここね。」

私は最後の扉を上げて中に入るが、誰もいない。
他に扉なんてないし、ここが最深部で間違いないはずなんだけどな?

「おーい、アルベルティーネちゃーん!かくれんぼはアルベルティーネちゃんの勝ちだよ。今度はお姉さんとお昼寝しよう!」

私は杖をメガホンに変えて呼びかけるが返事なし。
むむ、なかなかに手ごわいな。

私は箒から降りると足で部屋の中は探し始めた。
部屋はかなり広い。
アルベルティーネの本体の大きさもわからないから、どんな姿をしているのかもわからない。
ほとんど勘で探しているようなものだ。

それからどのくらい探したのか、私は見つけることが出来た。
隅のほうで体を小さく丸めて、誰にも見つからないよう、見つけてもこれが魔女だとわからないようなそれ。
子供の落書きがそのまま実体化したようなおとぎ話の魔女の人形。
わかる、私のソウルジェムと共鳴している。

「みーつけた♪」

私はその人形を躊躇なく抱き上げると優しく抱きしめた。
アルベルティーネはわずかに身じろぎするが、抵抗はしない。

「探したよ、アルベルティーネちゃん。かくれんぼはもうお終い。お昼寝したら今度はみんなで一緒に遊ぼう。」

私がそう言うと同時に私の足元から侵食するかのように結界が塗り替えられていく。
私の結界が完全に展開されると腕の中の人形は普段の私より少し幼い少女になる。
ファンシーなフリルをたくさん使った魔法少女のソレ。
これがアルベルティーネの本来の姿。

「ふふ、よく眠っている。」

私はアルベルティーネの前髪を払うと彼女のソウルジェムがその姿を現す。
元は鮮やかな宝石だろうに、今は黒い色に染まりきっている。
いや、宝石の奥でわずかながら本来の光が輝き始めている。
これが本来の色に戻るには長い時間が必要になるだろうな。
今まで魔女になっていたのだからそれは仕方ないか。
私は軽いため息を吐くと彼女の眠りやすい場所に移動するべく足を進める。
彼女が目覚めるその日まで……どうか安らかに。

 

 

 

 

 

なんて思っていた私の思いを返せ。
あと、読者の涙?

「わーい、うさぎさーん、ねこさーん。こっちだよー!」

結界内のお城にあるバルコニーでお茶(私は緑茶が好き)を飲んでいる私の目の前には数時間前まで眠っていたはずの元・魔女の少女が私の使い魔と元気に追いかけっこしている。

あれー?おっかしーな、彼女が目覚めるのは早くても数か月は掛かると思っていたのに……
あれか、子供は落ち込むのは早いが立ち直るのも早いというアレか?
私はなんとなく痛む頭を押さえながらお茶菓子と出されている羊羹を頬張る。
うん、おいしい。

「あー、オネェちゃんは和菓子?アルはケーキとかの方がいい。」

追いかけっこに飽きたのかアルベルティーネが私の目の前に座る。
それにすかさずに使い魔たちが彼女のご要望通りのイチゴのショートケーキとそれに合う紅茶を並べいく。
さすがは役割が接待・接客。
我ながらいい使い魔を持ったものだ。

「私としてはやっぱり日本人だからかな?紅茶や洋菓子も好きだけど、緑茶と饅頭とか和菓子が落ち着くのよ。」

そう言ってまたお茶を一口。
アルベルティーネもケーキとお茶にご満悦の表情で頬張っている。
私は湯呑をテーブルに置くと彼女をまっすぐに見つめる。

「それで、自分のことは理解できたのよね?」

「うん。本当の肉体は無いから、この体は魔力でそれを真似しただけのまがい物。魔法少女には見えるけど、普通の人間には見えない。だっけ?」

よし、よく覚えているな。

「そう。ついでに言えば、魔法少女の頃のように魔法も使えるけど、魔力を使いすぎれば肉体を保つことが出来ない上に、魔力が完全になくなればそのまま成仏しちゃうのも要注意。この世に未練がないならいけど、まだ遊びたいなら肝にめいじときなさい。」

私がいれば魔力の補充はいくらでも出来るからその心配はよっぽどのことがないと大丈夫なんだけどね。
そうやって私とアルベルティーネはお茶会を楽しむ。
片や洋風、片や和風の奇妙な図式だけどね。
お茶会でどのくらい過ぎたのか、急にアルベルティーネの眉間にしわが寄った。

「どうしたの?」

「オネェちゃん。私を魔女からもとに戻してくれたのは感謝してるけど、あの方法はないでしょ?」

「ん?相手に夢を見せて、やる気や希望を取り戻させること?」

「聞こえはいいけど……人のトラウマ抉って、怒りでその場のやる気を出させて、その後に幸せの記憶を思い出させてその人の夢と祈りを見つめさせる……実際に体験してみてわかったけど、あれってなんて飴と鞭?」

「ああ、それはよっぽど絶望が深い人用のものよ。普通はその人の夢や頑張っている頃の記憶を反芻させて希望を取り戻すのが主流よ。あとは人生に疲れている人は普通に穏やかな夢でリフレッシュってところかな?」

怒りというのは場合によっては、強力なやる気への起爆剤になるのだ。
たとえ怒りでも前を向こうと思えることが多い。
その後に穏やかな夢でその人の心を落ち着かせてやると、結構な効果が期待できるのだ。
実際にアルベルティーネもこれで希望を取り戻したようなものなんだから。
私の説明にアルベルティーネはテーブルに突っ伏した。

「うぅ、いくらなんでもやりすぎだよ。」

「いいじゃない、もとに戻れたんだから。今はお茶を楽しみましょう。」

こうやって私たち魔女のお茶会は続いていく。

 

 

 

 


「あ、言い忘れたけど格好は魔法少女でも本質は魔女だからね。」

「え!?」

というか魔女っ娘かな?

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