新入生歓迎パーティも終わり、新しい学科が始まる。
選択制で、俺が選んだのは天文学とマグル学以外のもの。
なんせこちとらマグル出身だし、だてに高校に行ってたわけじゃねーから大体わかる。
ん?よく占い学を取る気になったなって?
いやな、トレローニー先生が俺にどんな予言をしてくれるのか、楽しみなんだな~これが。
そんで、ただ今その占い学中で、お茶の葉を読んでいます。
死神からの招待状~3rd Stage~
『占い学と魔法生物飼育学』
「え~っと・・・なんだこりゃ?」
俺は相手がおらず、自分のお茶の葉を読んで、最初の一言。
なんせ完璧に?マークなんだぞ!?
ありえねーだろ!!?
「ミスター神楽。どうしましたか?」
トレローニー先生が眉根を寄せて俺に話しかけてきた。
「先生。俺のコレどう思います?」
俺はカップを見せると、トレローニー先生は驚いた顔をして、急いで水晶玉を覗き込んだ。
なんだぁ?
「お・・・恐ろしい!!あなたは今年かなりの危険がありますわ!!瓦礫に潰され、獣に襲われ、ディメンターの犠牲者となりますわ!!!」
いや、瓦礫の10tや20tや100tは平気だし、獣もその気になれば軽くねじ伏せられるし、ディメンターは向こうが怯えてて近づいてこねーって。
ホグワーツ特急内にいたディメンターの大半は未だにリボンをつけられたままだ。
他の生徒はトレローニー先生の予言を聞いて、ざわめきだした。(ドラコはいないけど。)
「あ~・・・それって、マジですか?」
「本当です!」
トレローニー先生はきっぱり言い切った。
「一体なんで?」
俺ってなんかしたー?
「とりあえず、用心はしまっす。」
(((((((((リオンが危険な目にじゃなくて、リオンの周りが危険な目にあいそう・・・)))))))))
どういう意味だコラッ!!
そうして、占い学が終わった。
魔法生物飼育学
俺は占い学の時のことをみんなに話してみた。
そしたら・・・
「う~ん、リオンなら平気だね。」
最近、腹黒と噂される小さな英雄。
「リオンを傷つけられるものっているの!?」
赤毛でそばかすの末弟君。
「リオンならディメンターはおろか、『例のあの人』も怯えるわ。」
ふわふわ髪の勉強大好き少女。
「リオンの丈夫さは、よーく知っているからね。」
誇り高きスリザリンの王子様。
『瓦礫や獣ごときで、どうこうならないだろ?』
腕輪に宿りし、某闇の帝王の記憶。
テメーらなぁ(怒)
「俺が心配じゃねーのか!?」
「「「「『少しなら心配(相手が)』」」」」
あのなぁ・・・(脱力)
「よぉ!みんな集まってるな。」
俺はこちらに来たハグリットに愚痴をこぼす。
「あ、ハグリット聞いてくれよ!こいつらヒデーんだぜ!!」
「あ?占いの話か?それなら大丈夫だ。獣を怒らせるほど、おまえだってバカじゃねぇだろ?さぁ、授業だ!!みんなもう少しこっちだ!!」
どこで聞いたんだよ、その話。
俺たちはハグリットの周りに集まると、ハグリットは何匹ものヒッポグリフを連れてきた。
「どうだ、美しいだろ?まず第一にこいつらは誇り高い。絶対に侮辱しちゃなんねぇ!それがおまえたちの最後の仕業になるぞ!!さざ、誰からやる?」
それに俺は真っ先に手を上げた。
なんせハグリットの言うとおりすっげー綺麗なんだせ?
これは触らなきゃ後悔しちまう。
「リオンか。よしやってみろ。」
ハグリットの許可を得て、俺はヒッポグリフの一頭に近づいていった。
そんで・・・
「こんちわー!羽触らせてー!!」
ズデーンッ!!
あり?なんで生徒やハグリットだけじゃなく、ヒッポグリフもずっこけるんだ?
「「「「『リオンのバカー!!』」」」」
『最初はお辞儀だろーが!!!?』
うわーん、ハリーたちにだけじゃなく、ヒッポグリフにまで怒鳴られた。
「いやだって、言葉が通じるし、それなら話したほうがはやいかなーって?」
『かな~って・・・もういい。好きにしろ。』
そう言って、ヒッポグリフは半ば呆れたようにしてその場に伏せた。
「そんじゃ、お言葉に甘えて・・・」
俺はそっとヒッポグリフの羽に触れる。
うわ~うっげー柔らけー。なんか、最高級の羽毛布団みてー・・・
俺は夢中になって、ヒッポグリフの羽に触れていたため、背後から近づいてきた影に気づくのが少し遅れた。
「リオン!?」
「え?」
ザシュ!
背中に突如襲い掛かった衝撃。
視界に入ってくるのは心配する友の顔と怒りを露にしているバックビーグ。
俺の体は重力に従って地面に倒れた。
『思い知ったか小僧!!我らをバカにした罪は重いぞ!!』
別にバカにした覚えは・・・
『バックビーグ!?』
『なんてことを・・・』
他のヒッポグリフが騒ぎ出す。
「リオン!」
「こいつらよくも・・・!!」
ハリーたちがヒッポグリフに向かおうとしている。
いや、そもそも・・・びっくりしたけど、俺は無傷だぞ?
「おーい、大丈夫か?バックビーグ。」
ズデーン!!
俺がケロリとした顔で、起き上がるとなぜかみんなまたずっこけた。
「「「「『普通は自分の心配だろー!!!?』」」」」
「いや、俺はケガしてねーし。あ!ローブがぼろぼろ・・・直るかな~?あ、バックビーグは大丈夫だったか?」
『な・・・なにが大丈夫だと言うのだ?』
バックビーグはうろたえるように言うと、俺はバックビーグに前足を指差して。
「鉤爪」
バキッ
俺が言った直後、バックビーグの鉤爪が少し砕けた。
『な!?わ、わたしの鉤爪が・・・』
やっぱな・・・ほとんどの物理攻撃に耐えられるだろうと予想される、この体を切り裂こうとしたんだ。
「とりあえず、治してやるから落ち着け。」
俺は爪が砕けて取り乱しているバックビーグを力づくで落ち着けると、回復魔法で治してやる。
「おっし、これで大丈夫だな。」
俺は回復したのを確認すると、意気揚々とハリーたちのところに戻っていった。
なんか・・・みんなポカーンと口を開いて呆然としていた。
「あ・・・あり?」
どったの、みんな?
俺が困ったような顔をして頭を掻いた。
((((((((((((絶対にリオンを敵に回すものか!!))))))))))
いや、そんな決意をされてもな・・・
そうやって、魔法生物飼育学は終わった。
なにごともなくな。