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ある日、ハリーたちがホイッスルを発見した。

見つけたとき、妙に疲れた顔してたけど・・・うん、俺もなんとなくわかる。

え?突然すぎる?アラゴグはって?

ハリーたち犯人知ってるし、何故かジニーが日記を捨てなかったのだから省略。

そんで、今俺はハーマイオニーと一緒にバジリスクのデータを集めておりやーす!
 


死神からの招待状~2nd Stage~
『秘密の部屋』








「なるほど、パイプを使ってたのね。これなら説明がつくわ!」

『う~ん、雄鶏の鳴き声か~』

俺は本をめくりながら考えを巡らす。

鳥はエイビスで出せばいいし・・・問題はホイッスルをちゃんと吹けるかどうかだな。

みんなを俺の二の舞にさせるわけにはいかねーし・・・!?

『・・・腹が減った・・・次こそは食らってやる・・・』

バジリスク!?やばい!!

『ハー子、目を・・・!!』

ドサッ

俺が声を掛けるが間に合わず、ハーマイオニーは驚愕の表情を浮かべたまま後ろに倒れた。

俺は急いでハーマイオニーの脈を確かめる。

『・・・冷たい・・・硬い・・・こんなに早く死後硬直が起きるわけないし・・・これは石になった?』

ここには鏡もガラスも水も無い。反射するものなんかないはずなのに・・・

とにかくハーマイオニーを医務室に・・・魔力!!?

俺は別の魔力を感じ取り、姿を消すとそこにりっちゃんが驚いた顔で現れた。

『驚いたな。確かにバジリスクを直視したのに、石化で済んだなんて・・・これは別の護りがあるな。さっきのゴーストもどきが人を呼びに行ったみたいだし、さっさと退散したほうがいいな。』

いや、ここにいるって・・・

俺はそう突っ込みたい衝動を抑えて、りっちゃんがそのまま去っていくのを見送った。

『りっちゃんって鈍いのか?とにかくストナ!』

俺はハーマイオニーの石化を解くと、ハーマイオニーはゆっくり起き上がった。

「うぅ、ありがとうリオン、助かったわ。それにしてもあれがバジリスク・・・10mはあったわよ!」

『この状況でその観察眼には恐れ入るよ。とにかくハリーたちに知らせよう!』

「えぇ!」

俺たちはそのまま、その場を後にした。

 

 

 

 

 

「あの~なんでこんなことに?」

ロックハートが情けない声で言うが、無視!!

ん?どうなってるかって?

いや、あの後ハリーたちと合流したら、ジニーがさらわれたのが発覚。

んでもって、一旦寮に戻るよう言われたけど、捨て駒よろしくロックハートを連れて、秘密の部屋の入り口にいるってわけ。

なんか、今年の時間軸が早くなっているが気にしたら×だ。

『ん~?なにって・・・』

「「「「捨て駒」」」」

おー、ハーマイオニーも言うねぇ

『んじゃ、よろしくv』

ドンッ

俺はロックハートに蹴りを入れると、穴の中に落ちていった。

「うわー!!」

ひゅー・・・ドスンッ

「こ・・・ここは!?」

下からロックハートの情けない声が聞こえてくる。

『・・・安全っぽいよ。俺が先に下りるからみんなはその後に来てくれ。』

俺はそう言って降りていった。

りっちゃんのいる場所へ・・・

結構深くまで降りると、ロックハートがバジリスクの抜け殻を見て、腰を抜かしていた。

『なに腰を抜かしてんだが・・・』

「き・・・君は怖くないのか!?」

ロックハートの問いに俺は頭をぼりぼり掻く。

『えー?このくらいで驚いてちゃ、魔法界でやってけねーよ。男は度胸ってね!』

ズザザザザザ

俺がそう言ってる時に、みんなが降りてくる音が聞こえてきた。

『お、降りてきたな。』

「けほけほ、下手なジェットコースターより迫力合ったよ。」

ハリーが少し咳き込みながら言っていると、いつの間にかロックハートはロンの杖を奪っていた。

「あ!?」

「野郎!!」

ロックハートはこちらに杖を構えたまま、先ほどまでの情けないのとは打って変わった笑いを浮かべていた。

なるほど、さっきのは演技だったのか。

不意をついたのはよかったが、それスペロテープだらけだぞ?

気づいてんのかねぇ

「悪いけど、君たちの記憶を消させてもらう。そして、服の切れ端とこの抜け殻を持って帰りこう言おう。『すまない。私が駆けつけたときには既に遅かった。』とね。」

芝居じみて言ったロックハートが可笑しくて俺は思わず笑った。

『う~ん、悪くないけどがちょっと欠点があるな。』

「なにが欠点ですか。時間稼ぎはさせませんよ。オブリビエイト!」

ドカーンッ!!

『・・・その杖、壊れてて逆噴射すんだよ。』

俺は吹っ飛んだロックハートを見ながらそう言った。

尤も気絶していて聞こえちゃいないがな。

「なんか僕の杖が壊れてたのが幸いかな?」

「そうだね。」

「本当にどこで、なにが、役に立つのかわからないな・・・」

ロン、ハリー、ドラコの順にコメントしていく。

ハーマイオニーに至っては、ロックハートに軽蔑した目を向けている。

『何人かここに残ってこいつを見張ったほうがいいな。ハリーはこの先必要だろうし、誰が残る?』

俺の提案にまずロンが手を上げた。

「僕が残るよ。この杖じゃ、足手まといになる。」

次に手を上げたのはハーマイオニーだった。

「私も残るわ。万一、抵抗されたら困るものね。」

あ~なんかオーラが黒いよ。杖をナイフの如く構えてるのが余計に怖っ!!

『それじゃ、ロンとハー子は残るんだな。俺は最初からいく気だし・・・ドラ子はどうすんだ?』

「僕は行くよ。少しは役に立つはずだ。」

俺は決まり!とばかりに頷くと、ハーマイオニー、ロンから気をつけろっと声援を受けて、先に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

『・・・人の趣味をとやかく言う気は無いけど・・・サラザール・スリザリンって悪趣味?』

「気持ちはわかるけど・・・」

「そうあからさまに・・・」

『言うのはどうかと・・・』

ハリー、ドラコ、リドルの順に突っ込むが、本当に!悪趣味じゃねぇか、この部屋!!

左右に蛇の彫像が並んで、正面には(映像で見たものとは似ても似つかない)サラザールの顔の彫刻・・・おまけに湿気やらがすっごいこと!蛇にはいい環境かもしれんが、人間にはたまらんぞ!?

「あ、ジニーだ!」

ハリーがジニーを見つけて走りよってみると、顔色がすごく悪くなっていたがまだ息はあった。

『まだ生きてるな。とにかく、リジェネ!」

今の状態で一気に回復させたら体に負担を掛けるから、俺は徐々に回復させるリジェネを使う。

ジニーの顔に少しだが、赤みが差した。

「よかった。とりあえず、ジニーを連れて行こう。」

「その必要はないよ。」

俺たちは突然の声に、そちらに顔を向けるとそこにいたのは・・・

『あ、りっちゃんだ。』

ズドーンッ

あり?なんでみんなこけるんだ?りっちゃんまで・・・

「君には緊張感はないのか!?」

ドラコが顔を上げて、声を荒げて突っ込む。

『ひどいな、ドラ子。俺にだって緊張するときくらいあるさ!ヴォルデモートをいじめまくったときなんか、ちゃんとトラップに引っかかってくれるか、魔法が直撃してくれるか、手に汗を握って緊張してたもんさ!』

いやー、あれは面白かった。

「シ・・・シリアスな空気が・・・」

『だって最近ギャグ少ないし、シリアスばっかだと息が詰まっちまう。』

俺がわははははっと高らかに笑うと、みんながくっと大きく肩を落としてため息を吐いた。

ん?どうしたんだ?

「と・・・とにかく、初めましてと言ったらいいのかな?ハリー・ポッター」

あ、強制的に話を戻しやがった。

「初めまして、トム・リドルさん。」(にっこり)

あの・・・ハリー?なんかその背にある黒い羽と尻尾はなんでしょうか?・・・って!こらドラコ!何気に逃げるな!!

「お・・・おや、僕の名前をそこの彼から聞いたのかい?」

りっちゃんもなんかハリーに怯えてる・・・

「ううん。他の人から聞いたんだよ、ねぇ、りどるん?」

『そうだな、ハリー』

「な!?」

りっちゃんは突然現れたリドルにかなり驚いていた。

そりゃ、いきなり自分そっくりな奴が現れたら驚くわな。

『くくくくく、僕もトム・リドルと言うんだ。』

「・・・なるほど、僕はジニーを、君はハリー・ポッターを操ってるいるのか。」

りっちゃんが自分を納得させるために、言ったがリドルはそれを一笑した。

「なにがおかしい!!?」

『はは!これが笑わずにいられるか?なぜ僕が親友の・・・それこそ実子のように想っているハリーを操る必要があるんだい?そんなことをしたら、あの2人・・・いや、3人に殺されるよ。』

『りどるん。それに俺を加えなかったか?』

『事実だろ?』

『そりゃそうだけど・・・』

リドルほどの心配性じゃねぇよ、俺は!

「くっ偉大なるサラザール・スリザリンを裏切るのか!?」

りっちゃんは激怒して言うが、リドルはそれをサラリと流す。

『偉大な・・・か。確かに当時、僕らの本体はこの部屋をマグルを排除するために作ったものと考えた。しかし、実際には違う。』

リドルの言葉にりっちゃん更に激怒。

所詮は16歳の少年。50年以上外の世界を見て回った大人にはかなわんか。

「僕は間違ってなんかいない!!『バジリスクよ!ホグワーツ4強の中で最強のものよ!その姿を見せよ!!』」

げっ逆ギレしやがった!?

『ハリー、早くホイッスルを!りっちゃんの奴、逆ギレしやがった!!』

ズルリズルリ

顔の彫刻の口の部分が開き、そこからバジリスクが出てきた。

デカッ!ハーマイオニーの言うとおり、10mはありそうだ。

『ハリー!はやく吹け!』

「わかってるよ!はぁ~・・・」

ハリーが大きく息を吸い込むと力強くホイッスルを吹き鳴らす。

コケコッコー!!!!!

ズデーンッ

今度は俺もこけた。

あ、リドルの奴こけてねー!?知ってたんなら最初に言えよ!!

「な・・・なんで」

「雄鶏ってバジリスクの弱点じゃ・・・」

『ド・・・ドラ子、ハリー大丈夫かぁ?なんか力が脱けた・・・』

俺は脱力しながらもバジリスクに顔を向ける・・・

『う~ん、良く寝た。あ!ジェームズおはよう。その人たち新しい友達?』

うわ~なんか小せーガキみたいだ。

そういや、フラッフィーもこのノリだったな。

「な、な、な・・・」

う~ん、りっちゃんも混乱してんな~話が進まねーし一旦封印するか。

俺は呆然としているりっちゃんを杖の一振りで日記に封印した。

「え・・・と、僕はハリーだよ。ハリー・ポッター。ジェームズは僕の父さんなんだ。」

「僕はドラコ・マルフォイ。」

そこ!のんきに自己紹介すんな!!

それから、バジリスク(名前をバジルというらしい)と話をして、バジルはテレパシーが使えるみたいで俺がいちいち翻訳魔法を使う必要がないそうだ。

それに、魔眼の能力は自在に扱えるから別に瞳を見ても死ぬことはないらしい。

とりあえず、俺たちはバジルにもう一度眠ってもらって、ハーマイオニーたちと合流して、無事に秘密の部屋から脱出した。

さて、りっちゃんはこれからどうしたもんか。

 

 

 

 

 

 


「フォフォフォフォ、それは大変だったの」

あんたはバルタン星人か!

『とりあえず、この日記は俺が預かっても?』

俺はダンブルドアにそう願い出ると、頷いて許可してくれた。

「それ、どうする気なの?」

「また、なにかの実験か?」

ハリーとドラコに言われて俺は首を横に振る。

『器を変えて、その辺に売り飛ばす。りどるんみたいに世界を見るのも悪くないとおもってな。』

それで更に闇に落ちるか、光を見つけるかはこいつ次第だ。

「そっか、リオンのことだからてっきり・・・」

「新激マズ料理の実験台にしたり・・・」

「新魔法の的にしたり・・・」

「ストレス発散に使ったり・・・」

「格闘訓練につき合わせたり・・・」

「「「「「するとおもってたのに(ねぇ)(のう)」」」」」

うわ、校長までヒデー!!俺がそんな男に見えるのか!?

他はともかく、ストレス発散はヴォルデモートだけって決めてんだよ!!


 


その頃の闇の帝王さん

ビクゥ!!

「なんだ?今のものすごい悪寒は・・・」

 


 

「とりあえず、リオンは医務室に行ってみなの石化を解いてくれかの?」

『はーい』

俺はしぶしぶと校長室から出て行った。

 

 

 

 


ここはホグワーツ特急内。

俺は久しぶりに動かす体を揉みながら、窓の外を見る。

くー!長期間使ってねーから、あちこち軋むー!!

今年1年も終わって、来年はシリウスさんがアズカバン脱走か・・・忙しくなるなぁ。

俺がのん気にそんなことを考えていると、去年聞こえてきたような、ノイズ交じりの声が耳に届いた。

『・・・血・・・・・・叶わず・・・』

「なに?」

俺はキョロキョロと辺りを見回すが、他のコパートメントで騒ぐ生徒たち声以外もう聞こえなかった。

なんだったんだ?

俺は首を傾げるが解らず、その考えを放棄するとハリーたちのいるコパートメントに向かっていった。

今年の物語はこれでおしまい。

 


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