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短いです。
「というわけで、これからほむらに協力してワルプルを殴ッ血KILLしまーす!」
ほむらとの会合を終えた私が結界内で魔女っ娘を集めて臨時集会をした際の第一声である。
「事情はわかったけど、具体的にはどうするの?」
私がある程度事情を話した後アルベルティーネにそう聞かれた。
ふふ、考えていないとでも思っていたのかい?
「とりあえず町に被害を出さないことが大前提!それについてもちゃんと考えてあるよ。」
問題はタイミングね。
ワルプルギスの夜が出てきた瞬間にやらないといけないからちょっと難しいのよね。
勝負は一回。やり直しはないのよね。
失敗したら町に被害が出る。
「ふーん、そのほむらって子も信用できるのよね?」
「大丈夫よゲルトルート。ほむらはまどかが大切すぎるだけだから、まどかに危害を加えなければこちらに牙を向けることはないわ。」
「ならいいけどね。私は私の薔薇たちが無事ならそれでいいわ。」
ゲルトルートは納得してくれた。
他の魔女っ娘もほむらと共闘することに承諾してくれた。
つーか中には魔法少女時代にワルプルギスの夜に敗れた子もいるからリベンジしてやる!ってやる気出している子すらいるわ。
よし、これで戦力はゲット!
さーてこれで後はさやかたちのことだけね。
「うがーーーーーー!!!次はぜったいかーーーーーつ!!!」
数日後、いつものように結界で人を招き、まどかたちも私のお茶会に乱入して一緒にお茶を飲む。
その際に魔法少女たちの絶望を抜き出すのも忘れない。
その時突然さやかが何を思い出したのか叫んだ。というか吼えた。
獣のごとく、虎のごとく。
「なにがあったの?」
私がまどかに聞くとまどかは恐る恐る小声で話してくれた。
「その……マミさんやさやかちゃんとは違う魔法少女と……喧嘩しちゃって……」
「ああ、それでさやかちゃんが荒れているのね。」
杏子、一体なにやったのよ。
まぁライバルフラグがたったらさやかも前を向いてくれる……よねぇ?
私はいまだ吼えているさやかに鎮静効果のある魔法を掛けると椅子に座らせた。
うん、我ながらいい腕だ。
「せっかくのお茶会なのだから落ち着きなさい。はい、ハーブティ」
私がハーブティを差し出すとさやかは騒いだことに対する羞恥心か顔を赤くして口をつける。
「ごめんなさい。ちょっと気が高ぶっていて……」
「ライバル出現で張り切るのはいいけど、あまり無理はしないでね。」
張り切った挙句にここに来るのも忘れて魔女になるなんて洒落にならないからね。
私はお茶菓子をつまみながらのほほんと使い魔を撫でる。
ああ、アニマルセラピーって結構効くもんだね。癒されるわ。
使い魔も私の意を汲んでくれるみたいで大人しく膝の上に納まっている。
動物系の使い魔の種類もうちょっと増やそうかな?
そんな感じに私が真剣(マジ)に検討していると結界に私が招いていない人が入ってきた気配を感じた。
好奇心で結界内に入った一般人ではなさそうね。
感じる限りかなり高い魔力の持ち主……感じたことがない魔力波長だわ。
私は膝から使い魔を下ろすと席を立った。
みんなはそれにハテナを浮かべるけど、私は何でもないようにふるまう。
「ちょっと城下の様子を見てくるから、みんなはここでお茶会を続けてね。ピーターとボリスは私の代わりにみんなのお世話をお願いね。」
『『御意、マスター』』
私は念のためお茶会をしているバルコニーに障壁を張ると箒に乗って城下に降りて行った。
「あれ?ここって魔女の結界だよね?」
結界の入口。王国が見渡せる丘のところに一人の小さな少女がいた。
まどかやさやかよりも幼い……まだ小学生くらいのネコを象った衣装を身に着けた魔法少女・千歳ゆまは戸惑ったようにあたりを見回す。
今まで彼女が経験してきたようなどろどろでぐちゃぐちゃな結界ではなく、それとは逆の穏やかで温かい結界。
戦いを覚悟していたゆまにとってこれは予想できなかったことである。
ゆまはとりあえず目の前に王国に降りてみようと足を踏み出した。
今まで起こりえなかった白き魔女との邂逅がどのような影響が起きるか、今はまだわからない。