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うーわー!今回は短めなのでそんなに進んでいません!
つーかすすまねぇ!どちくしょー!
メール返信
未完の月さま
おはようございます!
熱烈なラブコールありがとうございます。
我が子達を愛してくれて嬉しいです。
今回はギアスでも、ハリポタでもなくゼロ魔の更新ですけど、お暇つぶし程度にお楽しみください。
少女の手に渡った一匹の獣
新しい少女の牙
その獣の存在は誰も知らない
たとえ少女でも、その深遠はいまだ遠い
ゼロの使い魔~ちょっと変った平行世界~
第6話
(ルーク視点)
なんでこんなことになってるんだ?
買い物が終わった俺らが学院に戻るとすでに夕方で、とっとと着替えた俺らは(なんでかサイトのあの格好を他の奴に見せたくない)早めに食事をして、そんで夜の訓練のために中庭にいる。
サイトも途中まで付き合っていたけど、今は夜のお茶会みたいにテーブルと椅子を用意して、お茶の準備をしている。
買ったばかりのコウは、ここが自分の指定席!とばかりにサイトの肩に乗っている。
サイトもコウが肩に乗っていてくれていることが、なんだか嬉しいみたいで笑っている。
俺はそんな2人(一人と一匹)を横目に訓練を続けていたんだけど、なぜかキュルケとタバサが大きな包みを持って現れた。
しかも、これをダーリンにプレゼントしちゃう!なんて言ってる。
・・・キュルケ、おまえ仮にも愛の狩人を名乗っているなら、サイトの性別に気づけ。(いや、俺も間違えたけどな。)
サイトはそんなキュルケに戸惑っているし、タバサはタバサで勝手にサイトが用意したお茶を飲んでくつろいでいる。
「キュ、キュルケ。俺、そんなの貰っても困るよ。」
「あら、ルイズのことを気にしているの?でも、あなたほどの腕前の戦士があんな棒っきれじゃダメよ。せめて、これぐらいの業物を持たなきゃ!」
いや、新しいのならコウがいるし、大体おまえは武器のこと解るのか?
そう言ってキュルケが包みをほどくと、中から出てきたのは金ぴかの(見てくれは)立派な大剣。
・・・ちょっと待て、俺はその剣を約1年前に見たことあるぞ。
「キュルケ、あんたその剣・・・」
「ああ、これ?ピエモンの秘薬屋の隣にある武器屋で買ったのよ。ゲルマニアの業物ですって。」
俺が呆然と聞いてみると、予想通りの答えが返ってきた。
サイトはその剣を見て、「きれ~な剣だな~」とか呟いている。
「キュルケ・・・あんた武器屋の主人になんて言って買ったの?」
俺の問いにキュルケは「へ?」と間の抜けた顔をすると、思い出しながら言った。
「確か・・・この店で一番の業物をくださいませんこと?って言ったのよ。あの程度の武器屋なら、上等な部類でしょうね。」
俺はそれを聞いて、思わず深いため息を吐いた。
あの武器屋はたしかに格式がある店というものじゃないが、探せば本当の業物というものがある店で、隠れた名店なんだ。
俺も師匠と一緒に戦場を回っている時に耳にして、学院に入るときにこの店がいいと父さんに我侭言って一緒に買いに言った時も、父さんがそんな風に上から見た言葉で買おうとしたんだよな。
『店主、この店で一番の剣を出してくれ。』
『へ、へぇただいまお持ちします!!・・・こちらがこの店一番の業物です。』
『ほぉ、これは見事なものだな。わが娘が振るうにふさわしい。』
『え!?そちらのお嬢様が持つので?』
『そうだが、なにか不都合があるのか?』
『い、いえ!ただ・・・人と剣には相性というものが・・・』
『なんだ!娘にこの剣はふさわしくないというのか!!?』
俺は1年も前のことを思い出しながら、内心大きくため息を吐いた。
あの主人は上から見下ろした奴らが大嫌いな人だからなぁ・・・その分、ろくに使えない装飾剣を売りつける。
なんせ装飾剣の類は見目がいいから、使えなくとも貴族の見栄という奴で相手は買っちまう。
折れても貴族のプライドが邪魔して店に文句を言うこともできない。
まったく・・・俺が見抜けなかったら、今頃あれを背中に背負っていたのか。
俺は今度は隠しもせずに大きくため息を吐いた。
「む?なによ、そのため息は?」
キュルケは俺のそんな態度が気に入らなかったのか、眉を寄せて不機嫌そうにする。
俺はデルフリンガーを鞘に納めると、サイトからお茶を受け取って話した。
「その剣って、鋳型に流し込んで見てくれを良くしただけの装飾剣よ。それにサイトは棍使いで、剣なんか使えないわよ。」
うん、これは本当。
剣なんてよほど才能がなければ、一朝一夕で身につくものじゃない。
俺だってここまでになるのに10年は掛かった。
「そ、それなら棍も剣も両方使えるようになればいいじゃない!!多少時間は掛かっても!」
「それはそれで大変よ。一つのことを極めるより、中途半端に別のことをやろうとすればその分、穴が空くわ。まぁ、棍をベースにほかの事を手習い程度に習得するというのも有りよ。」
実際に俺は剣を中心に、素手や弓もある程度習得している。
腕前は剣に比べたら大したことじゃないが、ちゃんと実戦で使えるレベルだ。
「だ・け・ど!その大剣じゃ、サイトの体格に合わない!サイトはパワーよりスピードタイプなんだから、もっと軽い剣がいいのよ。って、その前にそれナマクラだから。」
俺の畳み掛けるような言葉に、キュルケは残念そうに剣を引っ込めた。
ありゃ?もっと噛み付いてくるかと思ったんだがな。
「あなたに武器や格闘で勝てるわけないもの・・・あなた、貴族やめてどこかで傭兵でもやったら?すぐに稼げるわよ?」
「それもおもしろそうだけど、入学前に師匠と一緒に戦場は回り済み。」
規模の小さい小競り合い程度だけどな。
(サイト視点)
へー、ルイズって戦場に出たことあるんだ~って!それっていくつの時なの!?
見たところ、ルイズと私の年はそんなに離れているように見えない。
もしかしたら私より年下かもしれない。
そんな女の子が戦場なんて・・・ルイズって確かに貴族の子女っていうより、傭兵とか戦士とかのイメージが強いわ。
でも、それでも(多分)15にもなっていない女の子が戦場を駆けずり回るなんて・・・!!
「ル、ルイズ・・・戦場って本当にあの戦場なのか・・・?」
私が恐る恐る聞くと、ルイズはあっけらかんと、
「規模は小さいものだけど、確かに戦場よ。」
なんて言ってくれました。
「あ、あははは・・・この世界ってルイズみたいな女の子も戦場に出なきゃならない世界なんだ・・・」
私は少し眩暈を感じながら、そう口にした。
「ちょ、ちょっと、普通の女の子は剣一本で戦場なんか行かないわよ!!」
「ルイズが特殊。」
誰かなにか話しているけど、私も徴兵されないように気をつけよう。
もし徴兵されても、生き残れるぐらい強くなろう。
(ルーク視点)
なにやらサイトが変な方向に勘違いしているみたいで、それをキュルケが必死こいて訂正している。
確かによっぽど特殊じゃなけりゃ、女は戦場に立とうとはしねぇな。
俺は師匠に『一度は戦場を知りやがれ!!!』なんて具合に放り込まれたしな・・・
ああ、あいつらみんな元気にやってっかな~?
俺はちょっと過去の思い出に浸りながら、遠い目をする。
頭上に輝くのはかつて戦場を一緒に駆け巡った仲間たち。
あいつらのおかげで、俺は貴族だの平民だのといった思考はものの見事に破壊されたんだよな。
ありがとう、みんな!お空の上で俺たちをいつまでも見守ってくれ!!
((((おれたちゃ、まだ死んでねーーーーーー!!!!!!!))))
あり?幻聴か?
俺は軽く頭を振ってもう一度夜空を見上げる。
双つの月が美しく輝いていて、手元が見やすい。
俺はそれを頼りにまた鍛錬に集中する。
仮想の敵を斬り、足を払い、確実にその命を奪っていく。
俺はまわりの仮想的を全て切り払ったあと、少し離れた場所の仮想的めがけて懐に隠し持った杖を振り下ろす。
ドカーン!!!
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・ルイズ」」」
「お・・・俺じゃねぇえええええええ!!!」
思わず地で叫んでしまった。
それと同時に30メイルはある土のゴーレムが姿を現した。