死神に誘われた先の世界。
そこで待ち受けるのは一体なにか。
それはどんな神々でも解らないだろう。
「あ、間違えちゃった。」
「へ?」
死神のその一言を最後に、少年は世界から消えたのだから。
IF~もしリオンが別の世界に行ったら?~
「あんた誰?」
「へ?」
少年が目を覚ましたそこは少年が望んだ世界ではなかった。
「あんた、名前は?」
「名前?・・・一度死んだ俺にそんなのないよ。なんならあんたがつけてよ。」
「なに言ってるかわかんないけど、そうね・・・なら、これからはリオンと名乗りなさい!」
新たな生、新たな名前。
「まったく・・・まさか魔法つながりで『ゼロの使い魔』の世界かよ・・・」
「あんた!なにぐずぐずしてるのよ!」
主人と定められた少女に付き従う使い魔となったリオン。
「僕は『青銅』のギーシュ!」
「俺はリオン。『ゼロのルイズ』の使い魔だよ。」
些細な決闘。
「おいおい・・・身体能力が上がったとはいえ、これはあがりすぎだろ・・・」
「そんな・・・僕のワルキューレを素手で粉砕するなんて・・・」
強大な力。
「ルイズ、逃げろ!」
「いやよ!魔法が使えることが貴族じゃない、敵に背を向けないのが貴族なのよ!!」
「アホか!そんなのは貴族とかじゃなくて、戦士とか騎士の志だ!!」
すれ違う見解。
「てめぇはやりすぎだ。」
「リオン?何する気なの?」
「丁度いいから、実験台になりな。・・・・・・メラゾーマ!」
発覚した能力。
「君がルイズの使い魔くんかい?」
「そうですがなにか?子爵殿?」
「一度君と手合わせしたいな。」
向けられる敵意。
「あんた・・・どこまで非常識なのよ・・・」
「人間を使い魔に召喚しちまうマスターよりマシだろ?」
「そんな・・・魔法をあっさりはじいただと!!?」
怒涛の流れ。
「これが竜の翼?」
「おいおい・・・ボロボロすぎて、これじゃあ飛べねぇよ・・・」
予定よりはずれた時間軸。
「どうするのよ!アルビオン軍が着てるのよ!!ドラゴンもなしにどうやって落とす気よ!!」
「大丈夫!ドラゴンならすぐに用意出来るさ!風の竜をな!」
「あんた、何言って・・・」
「右手にバギクロス。左手にドラゴラム。合成魔法!嵐竜変化!バギグラム!!」
現われたるは風の竜。
「どうよマスター?」
「あんたの非常識振りには慣れたわよ!」
「だったら、今度はルイズが非常識振りを発揮しな!!」
「言われなくってもね!!」
顕現するゼロの力。
「リオン・・・リオンは私のこと好き?」
「嫌いだったら、大人しく使い魔になってねーよ!」
「ちがうの!恋愛として好きかどうかなの!」
「・・・悪いけど、俺はこの世界に来てから一度も、俺は誰かにときめいた覚えがないんだ・・・」
惚れ薬騒動。
「怖い?」
「はっこんなんより、マスターの怒りのほうが数億倍こえーよ!」
「上等!絶対に生き残るわよ。」
「OK、マスター!」
7万もの大群を前に立ちはだかるルイズとリオン。
「あんた・・・元の世界に帰りたくないの?」
「前にも言ったろ?俺は元の世界で一度死んだ。今更帰れるわけないだろ。」
「それでも・・・」
「おまえは俺の世界をそんなにパニックにしたいのか?」
「え?」
「俺が帰ったら・・・死人が生き返ったってゾンビ騒ぎにならぁ!」
束の間の休息。
「トリステインだの、アルビオンだの、レコン・キスタだの、始祖の遺産だの、聖地だの・・・俺にとってはどうでもいい。」
「なんだと!」
「俺はただ・・・気に食わないからぶっ潰すだけだ!」
「やれーーーー!!」
そして潰される数々の陰謀。
「どうかしたのか、ルイズ?」
「あんたと一緒にいると、自分の常識がどんどん壊れていくわ・・・」
「固定観念に縛られるよりいいだろ?」
「はいはい・・・」
どのような結末が二人を待ち受けるのか、それはだれにも理解できない。